第三百六十二章・新しい出会い?になればいいけど。〈前編〉
今日は病院に行ってきました。薬がちょっと増えました。
第三百六十二章・新しい出会い?になればいいけど。〈前編〉
洞窟の外に出ると、大きな川があった。
人気のない森がずっと続いている中、河原に沿って、川が流れていた。
「こりゃまた、大きな川に出たぞ」
俺は聖なる剣をしまった。
そして、川の通りに歩くことにした。
イーゼルたちも俺の後に続く。
「リューイチ、この川は船でも渡れますね」
イーゼルが俺に言ってきた。
「そうだな。小舟でもあればいいけどな」
ルルチェが地図を広げた。
「この川は、さっきの洞窟の川とはまた違うわ」
「そうなのか?」
俺はルルチェを見る。
「この川の上流に、敵のライフル密造工場があるわ」
「え、マジか?」
「ええ、マジよ!」
「なら、この川沿いに行けばいいのか」
川の上流とは、山の上を意味している。
「じゃあ、この山の上ってことか」
俺は目の前の山を見る。ほぼ禿山に近いが‥‥‥。
「なるほどな。待ってろよ、カピーナ・テュルユーク!」
俺は腕が鳴った。真正面から打ち倒してやる!
「真正面から戦ったりしないわよね?」
ルルチェが俺に言った。
なぜ分かった?
俺の思考がバレるのか?
だとしたら、俺のあーんな妄想とか、こーんなエロい想像とか、分かってるってことか?
「ルルチェ、お前、俺をどこまで知っているんだ?」
俺は恐る恐る訊いた。
「え、何?顔が怖いわよ?」
ルルチェが怪しい人物を見るような目つきで俺を見た。
こ、こいつ‥‥‥。
「ま、一年近くの付き合いだからね。リューイチのことなんかお見通しよ、お見通し!フフッ♪」
「なっ!」
俺はいたたまれなかった。
「とにかく、真正面からは却下!」
「どうして?」
「相手はライフルの密造という巨悪な組織よ。もちろん銃の扱いにも慣れてるワケだし、ライフル相手に真正面からの攻撃はダメよ。相手もライフルで攻撃してくると思っていいでしょう」
「あー、そういうことか」
「そういうことよ、リューイチ」
「とにかく、先に進もう。ボヤボヤしてると日が暮れちまう」
その時、小さな少年が、十数人の男たちに追いかけられて、こちらに逃げてくるのが見えた。
「何だ、あいつら?」
「さぁ。この辺の人みたいね。知らない民族衣装を着ているわ」
「子供が助けを求めている時はどうすればいい、賢者の姫?」
「え?そりゃ助けるでしょ?子供は未来の宝よ?」
「まぁ、そうだよな」
ガキなのは俺たちも一緒だけどな。
ま、この世界では酒の飲める年齢ではあるが。
少年が俺たちの元をすり抜けると、俺たちは戦闘モードに入った。
「来るなら来いやぁー!」
俺たちで、追いかけてきた連中を、素手でボッコボコにしてやった。
チートの俺だけでも良かったけど、他の三人のレベル上げにも貢献したい。
あんな連中は、まずボコる。このチートの餌食になれ!
あれ、これって不良が弱そうな奴をシメる行為に似てないか?
そういうのはやりたくない。
ボコるの禁止!
俺は連中を適当にあしらうと、逃がしてやった。
うん、これでいい。
復讐などはしては来ないだろう。
圧倒的なレベルの差を見せつければ、それでいいはずだ、うん。
で、その少年は何だ?
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