第三百六十一章・洞窟からの脱出!
冒険のシーンを書くと、冒険してるって感覚になって良いですね。
第三百六十一章・洞窟からの脱出!
俺はコマドリに駆け寄った。その瞬間、ルルチェのバリヤが、俺たちを包んだ。
鍾乳石のつららがバリヤに当たり、砕ける。
「あっぶなかったな~」
俺はいつの間にか、コマドリを押し倒していた。
「いてててて‥‥‥」
コマドリは俺にのしかかれている状態だった。
「リューイチ、大丈夫だから離れろ。重い!」
「あ、ああ、スマン」
俺は起き上がる。
コマドリも立ち上がった。
「でも、コマドリが死んでしまうかと思ったぞ」
俺は本気で心配した。
「わたしに限って、そんな事はない」
「いや、もっと自分に気を遣えよ。俺もツッコみたくはないからさ」
「なぜ、そこでツッコむ?ボケてるんじゃないぞ?」
「いや、漫才やってるわけじゃないから」
この夫婦漫才風な会話は一体どうなんだろう?
俺は頭を掻いた。
「じゃあ、無事も確認したし、戻るか」
ルルチェが出口の方を見た。
「あれ?少しだけ出口の光が見えてる」
ん?
俺は岩に塞がれた出口を見てみた。
確かに光が漏れてる。
「あそこを爆破したら、通れるんじゃないか?」
「危険だろ。さっきもイーゼルのミサイル魔法で‥‥‥」
コマドリが言い終わる前に、イーゼルが暗い顔をし始めた。
「すみません、わたしのせいで」
イーゼルは隅っこで小さくなっていた。
「いや、もういいよ。それより出口だ」
俺は聖なる剣を、岩に向けて構える。
「リューイチ、もしやその剣で大岩を砕くつもりか?」
コマドリの懸念も正しかった。
ただ、爆破で岩を壊すのはマズいので、剣を使うことにしたまでだ。
「大丈夫!これでイケる」
俺は剣で大岩を三段斬りした。
岩が音を立てて分解する。
大岩はそのまま川に落ちて、出口があらわになった。
「やったぞ!」
俺は右手でガッツポーズを取った。
「さすがリューイチね」
ルルチェも感心したようだ。
その時、ミシミシという音が鳴った。
これはマズい。
本気でマズい。
「早く出口へ!落盤するぞ!」
俺は叫んだ。
ルルチェたちは走った。
コマドリ、ルルチェ、イーゼルの順に外へ出る。
最後に俺が出た。
そのあとすぐに、ガラガラと、洞窟が崩れ落ちて、埋まった。
「もう洞窟はこりごりだ」
俺は皆が無事で、安堵する。
「何言ってんの?冒険にダンジョンは付きものでしょ?」
ルルチェが余裕な顔で言ってきた。
生き埋めにしてやろうか、この命知らず!
この調子で続けていきたいです。