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第三十五章・新しい旅。そして、これは恋ですか?〈後編〉

読んでいただいた読者様には感謝の言葉が浮かばないくらいに感謝しております!!

第三十五章・新しい旅。そして、これは恋ですか?〈後編〉



 俺たち一行はドムブの滝にたどり着いた。これには嗅覚が鋭いコマドリが、水のにおいを嗅いで着いたのだ。滝の音も大きく、コマドリはその滝の音と水のにおいで滝の位置を特定した。忍者の能力というのはこういう時、すごく役に立つ。


「これがドムブの滝か。大きいな‥‥‥」

 俺たちは感心した。すぐそばには川もある。川はうねっていて、どこに続いているのかは分からない。

「それで、ここからどこへ行けばいいんだ?滝には着いたぞ」

「そうね‥‥‥たぶんこの滝のどこかに証印の型番を盗んだやつのアジトでもあるのかしら?」と、ルルチェ。

「なぁ、ダ・ガールの証印の型番ってそこまで大事な物なのか?」

「ええ。王族の誰でも国を治めるために、その時その時でちゃんと王を名乗るにふさわしい人に贈る証印を作るのに欠かせない物なの」

「今の王様、ルルチェの親父さんが証印を持つ最後の人なのか?」

「そう。もっとも新しい証印を持ってるのよ。でも、次の世代には、また新しい証印が必要なんだけど、型番がないと新しいのが作れない」

「なるほどね~」

「だから、盗んだやつを見つけて型番を奪い返さなくちゃ」

「そうか。じゃあ手分けして滝の周辺を捜索しよう」


 俺とルルチェ、それにイーゼルとコマドリがペアになって滝の周りを探した。どっかにアジトにつながる入り口のようなものがあるはずなんだ。

 

 コマドリが滝の裏を探していた時、洞窟を見つけた。

「あったぞ。これが入り口なんじゃないか?」


 コマドリは俺たちを呼んだ。本当にアジトにつながるような入り口があった。

 ってか、滝の裏に入り口とかベタじゃないか?

 ま、いいけどな。

 

「さて、これはひょっとしたら、ここから地下に行く通路なんてものがあるだろうな」

「つまりダンジョンってことね?」と、ルルチェ。

「ダンジョン?何だそれ?」

 コマドリが訊いてきた。

「ダンジョンを知らんのか?RPGゲームとかでよくあるだろ?」

 ゲーム知識。

「RPGゲームとは何だ?ゲームというのは、カードゲームやブロックゲームなどで分かる単語なんだけど、RPGって?」

「いや、まぁいい。忘れてくれ、コマドリ」

「はぁ。リューイチは時々変な言葉を言うけど、そういえば、そなたの出身ってどこなんだ?」

 そんなこと訊かれてもな。

「日本人とだけ言っておく。日本人の高校生、いや、元高校生で、ある日突然、この世界にやって来たゲームオタクだ!そして最強の冒険者さ」

「まったく分からんが‥‥‥」

「まぁ、そうだろうな」

「でもお国ではヘタレだったというのは雰囲気からでも分かる」

「うるせーよ!ヘタレ言うな。俺は最強戦士と呼ばれるリタ・エール・ド・エルデに一撃で勝った男だぞ」

「それはカードに書かれているあなたの能力で分かってるけど、どうもこの世界のことをゲームに置き換える癖があるよね?」

「ま-な。この世界は俺のいた元の世界ではありえない常識で詰まっている。俺の世界には魔女も忍者も賢者もいない。もちろん俺みたいなロリコ‥‥‥、勇者の存在なんかもいねーんだよ。そういうのはゲームやアニメ、マンガとかの領域だ」

「なんだかわたしたちの方がイレギュラーな存在に扱われているような気がするが、この世界では、そなたの方が珍しい存在なのだよ」

「それはそうかもしれないけどな」

「もし、この世界に魔王がまだ存在していたのなら、そなた一人がものすごく強くても仲間がいなければ到底魔王には勝てないだろうね」

「ああ、そうだな。だからお前らの助けが必要なんだ。そこは分かるだろ?」

「ええ。だからリューイチ、自分のものすごく強いをあまり過信しないことだ」

「わ、分かってるぜ!そんな心配はよせ」


「ちょっといいでしょうか?」と、イーゼルが話に割り込んできた。

「リューイチ、あんまりわたしを意識しないでもらいたいのです」

「お前、いきなりだなー。何なんだよ?」

「一応言っていきますけど、魔女のわたしはそんなあなたに気が向くことは絶対にありませんから、それもよろしく!」


ん?何の話だ?さっきの会話とは何も関連性がなかった。いきなりどうした、イーゼル?


 え、待て、待てよ?ひょっとしてルルチェの言ったことを鵜呑みにしてるのか?

俺はロ、ロリコンちゃうわ!

本当はイーゼルは、俺のことを意識しないようにしているのか?

それとも俺がイーゼルのことを想い人であると本気で思って、先手を打ったのか?

分からん。


「と、とりあえずこのダンジョンに入ろうぜ!冒険活劇映画のようでちょっとテンション上がるな!」

「そういえば、ダンジョンってどういうものなんだ?」と、コマドリ。

「コマドリ、ダンジョンってのは意味的には地下牢や城の牢屋なんかの意味だが、ゲームの世界で言えば、地下宮殿や迷宮になっている通路のことだ。こう言えば分かるだろう?」

「ひょっとして、幽霊がいるとか?」

「それは知らんが、ゲームによっては出てくるものも‥‥‥」


 突然、イーゼルの顔が青ざめる。今度は何だ?

「わ、わたし、幽霊だけはダメなんです!ゴースト怖い!あんな非科学的なもの、存在しないと分かってもダメなんですよ!」


 魔女が非科学的とか、どういう発言なんだよ?


「とにかく入るぞ!イーゼル、ちゃんとついて来いよ?」

「ええ~!!」

 行くぜ、ダンジョン!!



応援している皆様にこの小説を捧げます!!どうぞ、お楽しみになってください。読者様に幸あれ!!

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