第三百五十五章・もしやストーカー?
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第三百五十五章・もしやストーカー?
「何か、つけられてるな」
コマドリが言った。
「ん?」
俺たちはその一言に足を止めた。
「何かって何だ?」
「いや、誰かにつけられている気がする」
「誰かって誰だ?」
「そういう気配がするんだ」
「気のせいではなくて?」
「ああ。わたしには感じるんだ」
追跡者か?
「俺たちのことを知っている奴か?」
「分からん」
「コマドリが言うなら、気のせいじゃないな。敵かもしれない」
「後ろは振り返るな。このまま人気のない場所へついて来させて、そこでボコる」
ボコるって‥‥‥。
異世界ファンタジーに合わないセリフだな。
「で、もしカピーナ・テュルユークからの刺客だとしたら‥‥‥」
俺はソワソワしてきた。
「いや、相手はわたしたちのことは知らないはずだ」
「そうか?」
「まぁ、女犯三羽烏の二人を倒したんだ。わたしたちのことを警戒する可能性はゼロじゃないはずだ」
「それは確かに‥‥‥」
「道の角を左に曲がるぞ。そこで決着つける!」
コマドリは忍者刀の柄に手をやり、慎重に歩いた。
俺たちは何してればいいんだよ?
角を曲がると、走ってついてくる奴がいた。
確かについてくる奴がいる。
誰のことをつけたんだ?
急いで角を曲がる相手は、出会い頭にコマドリが待ち構えているのに気が付いて、足を止めた。
「誰だ?」
コマドリは相手の首元に手刀を当てると、威嚇する。
「お前は誰だ?」
「ヒッ!」
「何でつけた?」
「わ、わたしはカピーナ・テュルユークを暗殺をするための刺客、マーガレット・ミシェルだ。あなたたちは冒険者の人たちだろ?」
「こ、殺し屋?」
コマドリは驚いた。
「わたしたちが冒険者だと、なぜ分かった?」
「だって、50年前の冒険者風の格好をしている人たちなんて、あなた方くらいしかいないからだよ」
「え?そんなにわたしたちは浮いて見えるのか?」
「バレバレってくらいだよ」
「そ、そうなのか‥‥‥」
「だから、一緒に行動しようと思って、声をかけようと伺っていたんだ」
「伺うって‥‥‥」
「ん?」
「怪しかったぞ?後ろからついてくるのはやめろ!」
「ああ、すまない。いつ声を掛けようか迷ってな」
「それにわたしたちの代表はリューイチだ。同行させるかはリューイチに訊いてくれ」
ん?
俺か?
「俺がリューイチだ。一応代表だ。一緒に行きたいのか?」
「ああ。わたしを同行させてくれ」
「悪いが、これ以上の同行は、ご遠慮願っているんだ。悪いな、ついてくるのは勘弁してくれ」
「そ、そうか」
「でも、俺たちとは行動は別でも、あんたのやり方には干渉しないよ」
「そうか」
「ストーカーみたいなのは、やめて欲しいからな」
「ストーカーって何だ?」
この世界にストーカーは無いのか‥‥‥。
「いや、何でも」
「そうか」
「スマンな。俺たちは俺たちでやろうと思うんだ。他意はない」
「分かったよ。それじゃあな、冒険者!」
俺たちはマーガレット・ミシェルと離れると、町の宿を探した。
少しは休まないとな。
読者の皆様に幸あれ!!