第三百五十章・アリス・センチュリオン
サブタイトルは、ちょっとしたお遊びです。スミマセン‥‥‥。
第三百五十章・アリス・センチュリオン
ザナティス強制収容所は、ほとんど壊滅した。
攻略まで三十分ほどだっただろう。
収容所の残党たちが出てきた。
「ここは俺たちが掌握した。もう降参するか?」
収容所の残党の中に、少女が一人、出てきた。
またロリータファッションの子だ。
ベアトリアースといい、アビゲイルといい、もういい加減にしろ!!
「お前は?」
「わたしはこの収容所の所長、アリス・センチュリオンよ。よくもやってくれたわね」
「俺たちの攻撃力は分かっただろう?もう降参するんだ」
「笑わせる!ならば、これを食らうがいい!」
アリスは呪文を唱えた。
「クルスペルホルナンカンチャウバンカ!」
こいつ、何の呪文だ?
俺は魔法を食らった。
「これは?」
「金縛りの魔法よ。例外はない」
「そ、そんなこと‥‥‥」
それでも俺は動けなかった。
二階堂兵法、心の一方かよ!
ならば、気合いを入れれば‥‥‥。
俺は、ありったけの気合いを入れたが、魔法は解けない。
こんな強力な魔法は食らったことが無い。
マズい。マズいぞ!
俺は動けなくなった体を震わせた。
だが、舌は動く。
ルルチェが俺に近づいてきたのが、気配で分かった。
「ルルチェ、来るな!」
それでもルルチェは止まらない。
「ルルチェ、魔法使いがいるぞ!」
「分かってる」
ルルチェは俺の隣にまで来た。
「結界を張ったのもあなたね?」
アリスは口元を緩めた。
「ほう、よく分かったな」
「分かるわよ。同じ術式だったんですもの」
「わたしに勝てると思うのですか?」
「ええ。見てなさい」
ルルチェは俺に触れると、手を光らせた。青い光が俺の体を包む。
急に俺は、動けるようになった。
「おわっ!」
俺は身が自由になった。
アリスはルルチェを見た。
「まさか、魔導士か?賢者か?」
「後者よ」
「ならば‥‥‥」
「遅い!」
ルルチェは手から、氷魔法でクリスタルアイスを出した。
それらはすべて、アリスのそばを通り抜けた。
「詠唱無しで、このくらいの魔法なら出せるわよ」
「くっ、この女‥‥‥」
「さぁ、降参する?死ぬ?」
ルルチェは手のひらをアリスに向けて言う。
アリスは悔しがる表情を見せたが、諦めたようだ。
「わ、分かった。降参する。賢者が相手じゃね‥‥‥」
ルルチェは勝ち誇った顔をした。
「この収容所は終わりよ!」
「ガールズ&パンツァー」好きなもので‥‥‥。