第三十四章・新しい旅。そして、これは恋ですか?〈前編〉
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第三十四章・新しい旅。そして、これは恋ですか?〈前編〉
俺たち一行は、二年ほど前に、ダ・ガール城から盗まれたといわれる伝説の証印の型番を取りに行くという旅に出た。ちょっとしたお使い程度だから、そんなに冒険というわけでもあるまい。でも、運が悪ければモンスターには遭遇するが、仲間のレベル上げにはちょうどいい。
そう思って引き受けたのだ。
しかし俺は、今回イーゼルと距離を置いて歩いていた。
なぜっかって、こんなことになったのは全部ルルチェのせいだ。
俺がイーゼルのことを好きだとか言い出しやがって。
これまでそんなこと意識したことはないぞ、たぶん。
これまで通りに接するまでだ。
ホラ、イーゼルも困ってるじゃないか。俺と目を合わせようとしない。
やりにくいなぁ。
それでも一応、俺はイーゼルに適当に釈明はしといたので、こじれたりはしないと思う。
それにしても旅がちょっと恋愛脳に侵されてしまっていることには違いあるまい。
「おい、ルルチェ。どうするんだよ俺は?」
「何?あなたイーゼルが好きでしょ?」
「いや、そもそもどうしてそんな話になったんだよ。お前の結婚話はもう終わっただろ?もう親父さんに嘘は付かなくていいはずだぞ」
「それとこれは別。わたしはあなたのコト嫌いじゃない。むしろ好きよ。でも、それはあなたがイーゼルのことを好きなことが前提」
「はぁ?」
こいつ、またまたバカなこと言い出したぞ!
「どういうことだよ?」
「だから、イーゼルのことを好きなあなたが、わたしは好きだってこと」
「分からん‥‥‥」
そもそもなぜコマドリではなくイーゼルなんだ?魔女だぞ。それはあまり関係ないか。
「分かってないわね。あなたはたぶん自分でも気がついてはいないみたいね」
「何をだよ?」
「あなたが実はロリが好きだってこと」
はぁ?!待てよ。俺がロリコンだってこと?
イーゼルとは四つしか離れていないけど、それでもイーゼルは十四歳。確かに年齢的には俺のいた世界では中学生くらいの歳。
そのイーゼルを好きだというと、確かにロリコンになるが‥‥‥。
「あ、ルルチェ!テメェ俺をからかいやがったんだな!」
「あれ、今ごろ気づいたの?ホントにバカね」
この俺をからかうとは。この恩知らずめ!
「でも、女の子が三人もいるのに誰も好きにならないなんて、逆におかしいからね。あなたは黙ってイーゼルのことを全力で守りなさいよ。お姫様、いえ、賢者様からのアドバイス!」
くだらん!
俺は気分を害した。繊細なんだぞ!男って意外と。
それから数日、ずっと東の方に俺たちは移動していった。ダ・ガールの王様から褒美としてもらったコイン50000リールが重い。
東の先にあるのは、ここの州でももっとも大きな滝だと言われた。ドムブの滝と言われる滝らしいが、大きな滝と言われるとアメリカかカナダか知らないけど、ナイアガラを思い出す。まぁ、実物のナイアガラの滝をこの目で見たことはないので、そこはイメージで補完するけど。
またまた嫌な予感がする。またトラブルはゴメンだぞ?
滝に着くまでにモンスターを数匹倒した。そういえばみんなのステータスは、今どれくらいなのだろう?
俺は三人に、今のレベルを確認するように言った。三人とも互いのレベルを教え合った。
イーゼル 14歳 女
職業 魔女 レベル21
HP 85
MP120
攻撃力40
防御力30
素早さ30
知力 50
体力 45
魔力 95
運 40
と、まぁイーゼルはこんな感じだった。最初にあった時よりレベル上がったなぁ。
コマドリのステータスカードは、
コマドリ 17歳 女
職業 くのゼロ レベル19
HP110
MP 0
攻撃力90
防御力55
素早さ70
知力 40
体力 55
魔力 0
運 29
こいつは地道なレベルアップだ。その調子で頑張れ、コマドリ。
さて、ルルチェはというと、
ダ・ガール・フォー・ルルチェ 16歳 女
職業 賢者 レベル22
HP 95
MP 85
攻撃力45
防御力40
素早さ60
知力 65
体力 40
魔力 95
運 28
なるほど。みんなレベルがアップしている。まぁ、これぐらいは普通というか当然か。
遠くを見過ぎず、近くを見過ぎずってとこかな。
そういえば俺は?まぁ、どうせ変わりはないのだろうけど。チートを維持、それだけ。
ステータスカードを出して、みんなに見せる。
リューイチ 18歳 男
職業 ロリコン レベル∞
HP999
MP999
攻撃力∞
防御力∞
素早さ∞
知力 ∞
体力 ∞
運 ∞
あれ、何か職業だけ変わってるぞ?
何だよ、ロリコンって!
「リューイチ、ロリコンとは何です?」
と、イーゼルが訊いてくる。
お前が訊くのか?!
「いや、さあな‥‥‥」
俺はとぼけた。
ルルチェが笑いをこらえていた。
あいつ‥‥‥。
コマドリも「リューイチ、その職業は何なのだ?」と訊いてきた。
冗談にもほどがある。職業がロリコンなんて変質者以外の何者でもないじゃないか!
怒りが止まらない!
カードを破り捨てようかと思うほどだ。
たぶん、賢者の言うことが反映された結果だと思う。それしかない。
要するにあいつは、俺を勇者だとは微塵も思ってないはずだ。
ルルチェめ!ビンタでもいいから食らわしてやりたい!!女だから見逃してやるが。
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