第三百四十六章・強制収容所ザナティス
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第三百四十六章・強制収容所ザナティス
俺たちはクラ・ナーアの城を出た。
「さすがに誰も追っては来ないみたいだな」
俺は周りを見回した。
「それで、アビゲイル、強制収容所はどこにある?」
「そこへ行く気なのか、リューイチ?」
「助けたいんだ、そこで強制労働をさせられている人たちを!」
「正義に目覚めるのは良いことだけど、人間相手に戦いは好まないんじゃないのか?」
「やっぱ、戦いになるか‥‥‥」
「当然だ。アビーは収容所に案内するだけだぞ?」
「分かってるよ。お前は巻き込まない」
「もう巻き込まれているのだ」
「それは違いない」
俺は笑った。
「ザナティス強制収容所は、ここから馬車で二日の距離の場所だ」
「そうか。サンキュ!」
「さんきゅ?」
「ありがとうってことだ」
「なら、ありがとうって言え」
「ああ、ありがとう!」
「それでいいのだ」
自分で言ってから、恥ずかしがるアビゲイル。
顔を赤らめていた。
俺たちは馬車で、ザナティス収容所へ向かった。
たった二日で着くとは、案外近いもんだな。
* * *
王都から近かったが、何らかの結界が張られているのは間違いなかった。
ルルチェが結界の匂いを感じ取っていたようだ。
「結界破りは任せて!」
ルルチェは結界のそばに来ると、馬車を降りて、結界破りの呪文を唱え始めた。
パンという音がして、結界が破れた。
いい音だ。
「もういいわよ」
ルルチェは戻ってきた。
「簡単だったな」
俺はルルチェに言った。
「簡単じゃないわよ。今のでかなりの魔力を消費したわ」
「そうなのか?」
「ええ。かなり強力な結界だったわ」
「誰が作った結界なんだ?」
「たぶん、かなり強力な術式が使える誰かだわ」
「そいつが王都か、収容所にいる可能性は?」
「あるわね。用心しなきゃ」
「なら、要はルルチェになるかもな」
「それか、イーゼルね」
「そうか‥‥‥」
馬車を飛ばして二日。
ようやく俺たちは、収容所のそばの道路にやって来た。
「ここからが肝心だ。入るのも出るのも難しいかもな」
俺は剣の手入れをする。
「コマドリ、イーゼル、ルルチェ、皆の今のレベルは?」
「今、聞くのか?」
コマドリが言う。
「まぁな。それぞれ強力な戦闘力を身に着けていると思うんだが」
俺たちはレベル確認をした。
読者の皆様に幸あれ!!