第三百四十一章・山里の老婆はシャーマン?
仕事に行ってきたばかりなので、ちょっと疲れています。
第三百四十一章・山里の老婆はシャーマン?
結局、俺たちは一度馬車を降りて、レジスタンスたちの山里へ連れて行かれた。
別に敵意は無いらしいが、一応お互いの立場を把握しておきたいとのことだ。
俺たちは山里の村に着くと、大きな寺の中に通された。
そこにはシャーマンと思しき老婆が座っていて、石を転がしながらこの国の顛末を占っていた。
「お入りなさい」
老婆が言う。
俺たちは寺の占い部屋に入った。
「冒険者たちですね?」
いきなり質問か!
「ああ、そうです」
「ならば、占いで出ているように、女犯三羽烏のひとり、ヴァイオレット・コーニーの確保に成功した方々なのですね?」
そんなことまで分かるのかよ?
「そうです」
「まぎれもなく、あなたたちは冒険者なのですね。クラ・ナーアの山里へようこそ!」
「あ、丁寧にどうも」
俺はイーゼルに耳打ちした。
「ここは安全みたいだぞ」
「は、はい」
イーゼルは老婆に向かって頭を下げた。
「それで、これからどうされるんです?アンジェリカ・プラット州知事も失脚させたのでしょう?」
それも知ってるのか。
「はい。この剣もアンジェリカ・プラットから奪った物です」
そう言って、俺は聖なる剣を腰に下げていたのを出して、見せた。
「これはこれは。それが伝説の戦士の持ち物、聖なる剣ですか!」
「そうです」
「切れ味のほどは?」
「最高です!」
「まさしくアンジェリカ・プラットが持っていた聖なる剣ですね」
「戦って、勝って、俺の物にしたんですよ」
こう言うと、何だか俺の方が悪い奴っぽいな。
「勝った方の総取りという条件下で勝負して、勝ったんです」
「なるほどね。良い物を手に入れたようですね」
「まさか、アンジェリカ・プラットが伝説の勇者のパーティーにいた戦士の武器を持っていたなんて、俺も驚きです」
「その剣は大事に持っていなさい。新たなる戦いには必要な物です」
「はい」
剣は冒険者にとってのエスプリに関わるものだ。
「ところで、強制収容所の話は聞きましたか?」
「え?収容所?」
イーゼルが連れて行かれたという偽情報のあの収容所か。
「収容所はホントにあるんですか?」
「ええ、あるんです」
「そうなのか‥‥‥」
「クラ・ナーア・ウ・リダが失脚しないと、収容所の皆は助けられない」
「そうですか。なら、余計にクラ・ナーア・ウ・リダを失脚させなければならないですね」
「力を貸して頂けないでしょうか?」
「それはもちろんです」
「ありがとうございます。成功と無事をお祈りします」
その日はもう遅かったので、俺たちは村の集会所に泊めてもらった。
クラ・ナーア・ウ・リダか。
また冒険が始まるな。
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