第三百三十六章・地下通路は臭い!!
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第三百三十六章・地下通路は臭い!!
俺たちがア・レーアに着いたのは、翌日になってからだった。
「待ってろよ、アンジェリカ・プラット!」
って、これ何度目だ?
俺とコマドリとルルチェの三人は、アビゲイルに案内され、議事堂へと入っていった。
「アンジェリカ・プラット州知事への客人だ。通すのだ」
役人に事情を話すと、アビゲイルは門前払いを食らってしまった。
「ど、どうしてなのだ?アビーだぞ?州知事の右腕的な存在なのだぞ?」
役人は手でシッシッと追い払った。
「あなたはもう、アンジェリカ・プラット州知事の右腕ではありません。お帰りください」
「な、何でだ?」
「州知事は、あなたを失脚させたのです」
「そんな!」
「もう名簿にも、あなたの名は載っておりません。お引き取りを」
「そんな話があるか?アビーはこれまで政治に一生懸命に関わって来たのだ。門前払いを食らうなど、あり得ないのだ!」
「ダメなものはダメなのです。お帰りを!」
アビゲイルはトボトボと、俺たちの前に来た。
「申し訳ないのだ。アビーは州知事から切り捨てられたのだ。ここへは入れない」
「まぁ、見てたから分かるよ」
「裏切られたのだ。これでアビーは路頭に迷うことになる」
「そんなにしょげるなよ。それで?」
「中には入れなくなったのだ」
俺たちは、イーゼルに会える最後の壁を越えられなかった。
「さて、どうする?」
俺は仲間に訊いた。
「正面突破で、中に入るか?」
コマドリの物騒な意見。
「他に方法は無いのかしら?」
ルルチェも考え込む。
その時、アビゲイルが思い付いたように、手をポンと叩く。
「そうだった、隠し通路があるんだった」
「隠し通路?」
「下水から議事堂内へ入る抜け道なのだ。特別にアビーは州知事に教えてもらってたんだ」
「確かなのか?」
「もちろんなのだ!」
「隠し通路か‥‥‥」
「行くか?アビーが案内するぞ!」
「それなら、お前を信じてついて行くよ」
「よし、来い!アビーも州知事のお考えに腹が立ったのだ」
俺たちは、議事堂の裏手にある下水管へと繋がるマンホールのふたを開けて、真っ暗な下水の通路に降り立った。
下水管の中は、一言で言うと、臭い!
だが、やむを得まい。
俺たちはアビーの案内で、議事堂の真下に着いた。
ハシゴがある。
「ここを登るのか?」
「そうなのだ。この上が議事堂の一階の廊下に続いている。
ここから突入ってことか?
それもまぁ、仕方がない。イーゼルを助けだすためだ。
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