第三百三十二章・ちゃちな手に引っかかったぞ!!
「日本のいちばん長い日」「連合艦隊司令長官 山本五十六」をDVDで一気に観ました。疲れた‥‥‥。
第三百三十二章・ちゃちな手に引っかかったぞ!!
馬車が走ってると、崩れかけた石の橋が見えた。
「あの石橋は、街道の道か?」
俺はアビゲイルに尋ねた。
「そうなのだ。あそこを通らなければ、先へは進めない」
何か罠がありそうな雰囲気だ。
気を付けなければ‥‥‥。
馬車がギリギリ通れる幅だ。
そっと馬車を進める。
ボロッと、石橋の端が崩れた。
危ない危ない‥‥‥。
ある意味、戦闘より危険だぞ。
俺のチートって、どのくらいまでチートなんだろう?
戦闘には強いが、こういう危なっかしい場面では俺だけは落ちても生きていられるんだろうか?
いや、ここは皆の安全の方を心配した方がいいな。
石橋を渡り終えた時、石橋はズドンと全壊した。
あっぶね~!!
石橋を叩いて渡るって言うけど、石橋は絶対に叩かないといけない。
こんな時もあるんならな。
慎重さが物を言うんだな。
馬車はまた、街道の続きを走り出した。
「アビゲイル、あとどのくらいなんだ?」
「あと二時間くらいだな」
「追いつけるのか?」
「ギリギリ追いつけるだろう。でないと、アビーもお前たちに何されるか分からないからな」
「俺たちの方が悪者みたいな言い方だな」
「アビーたちから見れば、お前たちは政治を邪魔するテロリストだよ」
テロリストって言葉が出るのかよ?
まぁいい。
馬車はずっと走っていった。馬も疲れているが、イーゼルを安全に助け出すには仕方が無かった。
「見えたぞ!別の馬車だ!」
コマドリが叫んだので、俺たちはその声に気づいた。
「コマドリ、その馬車にイーゼルが乗っているのか?」
「分からんが、そうかもしれない」
「よし、その馬車を止めさせろ!」
俺たちの馬車は、その馬車に近づくと、追い越して、手前で止めた。
「イーゼル!」
俺たちは馬車を囲む。
途端に馬車の中から銃剣を持った連中が、俺たちに向けて発砲してきた。
俺はそれを避けると、馬車の下に入り込み、持ち上げて横倒しにする。
中から出てきたのは、銃剣隊の四人だけだった。
「イーゼルは?」
その時、ふっふっふと笑う声が聞こえた。
アビゲイルだった。
「まんまと騙されたデスネ!魔女は収容所になんか向かってなかったです。まだ州知事のところですよ」
な、何だと?
俺は絶句した。
騙された!
罠だったか‥‥‥。
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