第三百二十六章・聖なる剣
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第三百二十六章・聖なる剣
俺は素手で構え直した。
「まだ剣が砕けただけで、負けちゃいねーよ」
「ほう、そのまま負けを認めても良かったんじゃないのか、冒険者」
「いや、剣を失ったが、まだ戦える」
「負け犬のセリフだな」
「勝った方が総取りだからな。勝たなきゃイーゼルも戻ってこないしな」
俺は素手で、アンジェリカ・プラットにかかっていった。
「武器を持つ相手に素手だと?」
アンジェリカ・プラットは、一歩下がった。
聖なる剣を俺に向かって上から下へ、振り下ろした。
俺の脳天を狙う気か。
俺はとっさに剣を避けた。
次の瞬間、蹴りが飛んで来て、俺の体が弾かれた。
ちょっと待てよ?
チートの俺が、こんなにも追いつめられるなんて、どうなってるんだ?
あの剣は一体‥‥‥。
「もしや、その剣は‥‥‥」
「あ、気付いたか?そうだ。伝説の魔王を倒した勇者パーティーの戦士、オリアールが使っていた聖なる剣だ。わたしに行きついたシロモノだ」
「なんであんたが?」
「オリアールはわたしに託したのだ。この世界を動かすために、わたしに必要であろうと言ってな」
「戦士を知ってるんだな?」
「ああ。それと、クレアスフィアも譲り受けた」
「クレアスフィアも?」
俺は反応する。
「あのオーブも一つ持ってる。そういえば、お前たちの仲間の魔女が二つ持っていたな。集めているのか、冒険者?」
「なるほどな。そうか。聖なる剣にクレアスフィアか。至れり尽くせりだな。だが、その戦士というのは、かなり見る目のない奴だな」
「ほう。そう来たか」
「聖なる剣がどんなのモンかは知らないが、その剣はあんたに似合わない。いや、相応しくない」
「何?侮辱する気か、お前?」
「いや、感心してるんだ。あんたのような人でも、見染められることがあるんだなーってね」
「やっぱりバカにしてるな?」
怒れ。怒ってみろ!
それで勝算はあるからな。
アンジェリカ・プラットは、聖なる剣を振りかぶった。
もう、明らかにイラ立っている。
それこそが俺の狙いだ。
かかったな!
「残念!」
俺は膝をくの字に曲げていた。
そして、大きくアンジェリカ・プラットに向かって、足を伸ばし、横にジャンプした。
どすこい!!
俺は突っ張りで、アンジェリカ・プラットの胴体に突進する。
ふんどし相撲なめるな!!
「ぐわっ!」
アンジェリカ・プラットは剣を落とし、地面に倒れた。
武器のある敵には特攻するのみ!
そして勝てば官軍だ。
ざまーみろ!!
アンチ騎士道精神の勝ちなのだ。
卑怯かもしれないが、これが政治だろ?
だったらこれも受け入れろ、アンジェリカ・プラット!!
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