第三百二十五章・アンジェリカ・プラットの実力
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第三百二十五章・アンジェリカ・プラットの実力
戦争回避の唯一の手段は、俺とアンジェリカ・プラットの、剣でのタイマンだった。
議事堂の広場へと移動した俺たちは、ここで一対一の対決をするつもりだ。
勝った方の総取りだ。
それが守られるのかは分からないが、相手も正々堂々と挑んでくるようなので、結果、相手が負けたとしても、それはそれでキチンとした対処はするだろう。
人が好いにも程があるとは思うが、これも相手の政治とやらに乗っかってみたまでだ。
俺は返してもらった錬金の剣を抜いた。
アンジェリカ・プラットも剣を抜く。
仮にも冒険者と戦って、勝てるとでも思っているのか?
まぁ、俺がチートなのも黙っているが。
それに俺の剣は錬金術によって作られた、最強の剣だ。
負けるはずがない。
「さぁ、やろうか?」
余裕の表情を見せるアンジェリカ・プラット。
「俺に勝てるか?」
「わたしは州知事であると同時に剣の達人である」
自分で達人とか言うんだ。
「俺も剣は強いぞ?」
「そうは見えないけどな。剣術はまだ、未熟と見た。わたしは剣を子供の頃から振っている。果たしてわたしに勝てるかな?」
「じゃあ、見せてやるよ。そして見せてくれよ、あんたの腕前を」
俺の剣と、アンジェリカ・プラットの剣がぶつかり合う。
カキーンという金属音がして、錬金の剣が砕け散った。
「な、何ィー!」
俺は武器を失った。
「これぞ、わたしの一振り千人の聖なる剣の威力だ」
アンジェリカ・プラットは、勝ち誇った表情で言った。
ショックを受けている暇など無かった。
俺は剣の残った部分をアンジェリカ・プラットの方に投げた。
それを聖なる剣で弾くアンジェリカ・プラット。
「これでお前は負けだな。約束だ」
「まだまだー!」
俺は素手で相手に突っ込んだ。
アンジェリカ・プラットは、それをヒョイとかわす。
ズッコケる俺。
「くそ!」
俺は起き上がった。
「これで州知事の勝ちだね」
見物していたアビゲイルが言った。
「こんな腕で冒険者を名乗っていたのか、お前らは?」
アンジェリカ・プラットはプッと笑う。
うるせーよ!
しかし、このままでは負けを認めるしかない。
どうする?
俺は追いつめられた。
こんなことってあるのかよ?
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