第三百二十三章・話し合いは戦争?
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第三百二十三章・話し合いは戦争?
「さて、戦い抜きでどう解決させるか‥‥‥」
アンジェリカ・プラットは、椅子に深く腰掛けながら、言った。余裕とばかりに笑みを浮かべている。
ここで戦うのは安い。
でも、ここは議事堂だ。
こんなところで一戦交えるなど、こちらに不利だと思った。
「お前たち、剣は預けているな。ここで帯剣を認められているのはわたしだけだ」
アンジェリカ・プラットは、腰の剣を見せて、俺たちを脅してきた。
「俺を甘く見るなよ?素手でも強いぞ!」
「なら、聞くがいい。わたしが戦うのは大義のためだけだ」
「大義?」
「わたしは貧しさを知っている。お前たちは一日何も食べないなんてこと、あったか?無いだろう?」
「それは、そうだな。確かに俺たちは恵まれているよ」
でもこの女、同情でも買うつもりで言ってるのか?
「ア・レーアの豊かさをクラ・ナーアにも分けてもらうために、わたしは立ち上がったのだ。それを理解して欲しい」
アンジェリカ・プラットは、強く言った。
「戦争は望まない。だが、ア・レーアの兵を出兵させる準備も怠ってはいない。どちらも用意しているのだ。戦争は本当に望まないのだがな」
「おいおい、それは矛盾だろ?」
「仕方がないことなのだ。わたしは話し合いで解決したかった。これは本音だ。でも、ままならぬこともあるのだ。そこは州知事として未熟な自分をしまい込み、政治を行うだけだ」
「戦争も政治か‥‥‥」
「それでも、わたしを討伐しに来た、お前たちのせいでもあるんだぞ?お前たちはわたしたちを女犯三羽烏と呼んでいるだろう?だからわたしは、やりたくはなかった人質を取り、話し合いの場を設けて、いろいろ対策を実行させたのだ」
「俺たちのせいかよ?」
「お前たちを敵に回したくはない。だから、ここで引いてもらえないだろうか?そうすれば、魔女に危害は加えないし、やることが終われば解放させてやる。どうだ?」
「どうだって言われてもなぁ‥‥‥」
ルルチェが前に出てきた。
「人質を取っておいて、自分勝手なことは言わないでよ!」
「ル、ルルチェ?」
俺はびっくりした。
「話し合いで解決させるなんて、甘いこと言っておいて、イーゼルを奪った行為自体、犯罪じゃないの?この国ではそれは許されるの?」
「それは‥‥‥」
「あなたも罪は犯している。それをまずは実感しなさい!」
「だが、もし魔女を返せば、お前たちはわたしを討伐するだろう?」
「それは当然よ!そういう依頼だからね」
おいおい、お互い話し合いと言うよりは、言い合いになってるぞ?
俺は止めるべきか迷った。
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