第三百十七章・ヒドラの毒を解毒するぞ!
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第三百十七章・ヒドラの毒を解毒するぞ!
ルルチェの容体は、時間とともに悪くなっていく。解毒なら、ルルチェが自分の魔法で出来るはずだが、今、ルルチェ自身が昏睡状態になっている。
放っておくと、ますます解毒が難しくなる。
イーゼルが必死で、ルルチェの額の汗を、タオルで拭ってやっていた。
どうする?
解毒となると、そんな経験はないので、俺にはどうすることも出来ない。
戦いはチートスキルでどうにかなるが、こういう場合、俺は無力だ。
ヒドラめ。やっつけはしたが、毒をルルチェに浴びせやって!
でも、一番責任を感じていたのはイーゼルだった。
ルルチェに庇ってもらったのだからな。そりゃ責任を感じて当然だろう。
俺は日が暮れて、夜になると、宿の外へ出た。この村に、誰か毒を治療できる人はいないものか?
その時、俺の前にリドア・テールスが立っていた。
「あらまぁ、冒険者の方、ここで何をしていらっしゃるのですか?」
旅の女医キター!
これで三度目。俺は自分の運の良さを感じてしまった。
「じ、実は仲間が毒にやられて‥‥‥」
「毒?案内して!」
リドアはルルチェを寝かせている部屋へ来ると、診察し始めた。
「ヒドラの毒ね」
「そうだけど、分かるのか?」
「もちろん!これならエルフの作った薬草で治るわ」
リドアはすぐにグリーンの液体が入った注射器を出して、ルルチェの腕に注射する。
「あとは熱を下げるだけね。氷を持ってきて」
「村の人に手配してもらって来るよ」
俺はすぐに外へ出た。
* * *
数時間後、ルルチェの容体は回復し始めた。眠ってる。
「それにしても、解毒魔法が使える子が毒にやられるなんて、皮肉ね」
リドアはルルチェのベッドのそばの椅子に座ってから、俺に言った。
「今回もありがとう」
「いいえ。でも、本当によく会うわね」
「ここへは旅の途中で?」
「ええ。でも、どうしてこんなにタイミングよく会えるのかしら?」
「それはいわゆるご都合主義ってやつだよ」
「ご都合主義?」
「まぁ、映画やドラマでよくあるヤツ」
「エイガ?ドラマ?何それ?」
「ああ、忘れてくれ。この世界には無い物だから」
「おかしな人ね」
リドアは笑った。
まぁ、ご都合主義でも何でも、ルルチェが治って良かったと思うことにしよう。
俺は勝手にそう思った。
読者の皆様に幸あれ!!