第三百十五章・花畑での会話は恋の話?〈後編〉
今日も忙しいです。この更新で、今日は最後です。続きは明日また。
第三百十五章・花畑での会話は恋の話?〈後編〉
「そういえばリューイチ、そなたリンゴ売りのアリサに告白されていたんだって?」
コマドリの突発的な発言で、俺たちのパーティーは凍り付いた。
「な、な、何を言ってるんだ?てか、どこからそんな話を?」
「冒険者というだけで、噂は音速で伝わるもんだよ」
コマドリはどこからか、その噂とやらを耳にしたようだ。
「俺はちゃんと断ったぞ。いや、断っていないか‥‥‥。相手が身を引いたし、それに俺も少しはキュンとしたし、でもそれは一瞬のことだし、いや、別に俺は何とも思ってないからな?」
「口数が多いぞ、リューイチ」
「ム‥‥‥」
「まぁ、あのミスコンの優勝者に告白されたら、きっと幸運だったのかもしれないけどな」
「何を言ってる?」
「ミスコンの本当の優勝者はお前じゃないか、コマドリ」
「わ、わたしは辞退したんだから、優勝者じゃないぞ!」
「いや、優勝したじゃん」
「ダ・ガールまんじゅうなんかが優勝商品のミスコンなんて、ただの戯れ程度のイベントだよ!」
「イベントはイベントだろ?」
話のすり替え、成功か?
それならそれでいい。
「今は、あの美少女のアリサの話をしているんだ!」
チッ!話を蒸し返しやがって。
「俺は何とも。確かに美少女だったけどな。そりゃミスコンで優勝するくらいの美人さはあったけど」
「美少女は嫌いなんて男はいないんじゃないか?」
「まぁ、美人は三日で飽きるとは言うが、三日経っても飽きないけどな」
あ、俺は一体何を言ってるんだ?
自分で地雷原に入っちまった。
「やっぱり男って奴は‥‥‥」
呆れ顔のコマドリ。
「いや、冗談だよ。ボケただけだから」
「問答無用!今さらだな」
「コ、コマドリ‥‥‥」
これ以上は言葉を詰めない方がいい。
俺たちは黙々と足を速める。
俺はイーゼルもコマドリも敵に回したくはないと思った。
仲間は大事にしないとな。
花畑を過ぎると、丘の上に来た。
「そろそろモンスターの気配がします」
イーゼルが言った。
モンスターだと?
人気のない丘の上で、俺たちを狩りに来たのは、日が暮れる前の夕日をバックにしたヒドラだった。
九つの頭を持つヘビ、ヒドラは俺たちの前に現れた。
デカい。
インフルが流行ってますので、皆さんくれぐれもご自愛ください。