第三百十三章・アリサとイーゼル
よく書き直しをします。まだまだいじれるところがあれば、手を加えることにしています。
第三百十三章・アリサとイーゼル
俺はリンゴを買いに果物屋に来たので、いきなりアリサから告白されて、タジタジとなった。
俺は今、モテ期なのか?
てか、ここでモテ期になっちゃっていいのか?
これ逃したら、俺にモテ期はもう、一生来ないんじゃないのか?
まぁ、俺にモテ期というものがあるのが、けっこう理解し難いが‥‥‥。
「アリサ、俺にはもう、決めた人がいるから‥‥‥」
「フッ、そうだとは思いましたよ」
アリサはあっさりと引き下がった。
あれれ?
「リューイチ様にはきっと、想い人がいらっしゃると思っていました」
「で、でも、忍者の子じゃないぞ?」
「そうですね。あの人が隣に来るのは、ちょっと釣り合えないでしょうからね」
てか、そんなの分かっちゃうんだ。
男子にはないぞ、そんな釣り合い不釣り合いみたいな勘など。
「きっと、あの魔女さんが、リューイチ様と隣り合える人なんですね」
こ、この子は一体?
「たぶんじゃないですよ。確信してます。これは女の勘なのですが‥‥‥」
女の勘、怖ェ~。
「まぁ、確かに当たってるけどな。でも、実際はどうだか」
「何かの運命を感じます。あの魔女さんは一度、リューイチ様の敵になると思います。でも、未来は明るいのだと思いますよ」
「そ、そんなこと分かるのか?」
「わたし、占い師四級の資格を持っていますから」
何だそれ?
「分かったよ。肝に銘じておくよ」
「フフッ。そうしてください。わたしはただの、リンゴ売りのアリサですから」
「それ以上に魅力的な女の子だよ。さすが、ミスコンの優勝者!」
「ありがとうございます!」
そう言うと、アリサはリンゴを一つ、手に持つと、俺に投げた。
「それはわたしからです。食べてくださいね!」
とどめのウィンク。
俺の胸がときめかないワケがなかった。
その時、イーゼルが何を察したのか、俺の横にやって来ていた。
「イーゼル?」
「リューイチ、何を鼻の下伸ばしてるんですか?」
「い、いや、これは別に‥‥‥」
「フン!いいですよ、もう」
「ち、違うって!」
「バカにしないでください。わたしだって鈍感じゃないんですよ」
女の勘、怖ェ~。
イーゼルはその日、一日口をきいてくれなかった。
俺のバカ‥‥‥。
この日得た、たった一つのリンゴは、甘酸っぱいなぁ。
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