第三百五章・ヴァーラントよ、再び?〈前編〉
今日は調子悪いです。明日、病院に行ってこようと思います。
第三百五章・ヴァーラントよ、再び?〈前編〉
俺たちは、いや、俺以外の三人はもてなされた。
ランド王もひざまずくほどだった。
「王様、頭をお上げください」
ルルチェが代表で、対応していた。
「あなたがあのドラゴン、ヴァーラントを下僕にしたといわれるルルチェ姫ですね?」
「そうですが、わたしはそんなに偉いわけではありません」
姫だから偉いだろうと、俺は思った。
まぁ、それは黙っておくが。
「王様、この国では今、女性が認められているんですよね?」
ランド王は顔をキリッとさせて、ルルチェに向き合う。
「確かに今までは、女性はほとんど表には出なかったですが、これからは女性も男と同権にして、社会に貢献するように支援させてきますので‥‥‥」
「いいえ、女性はそんなことをしてもらわなくても、自立できますよ」
ルルチェはキッパリと言った。
「そうですね。それは迂闊でした。改善します!」
なんだか、ここにいても気分が乗らない。
俺はルルチェを引っ張った。
「なぁ、もう行こうぜ。ルルチェ」
「ん、そうね‥‥‥」
俺たちは城をあとにして、王都を出る。
* * *
何だか一人の女性の活躍ぐらいで、国の方針が変わってしまうなんて、逆に不気味だ。
「どうせ三年も持たないだろうな」
俺はポツリと言った。
「そう言わないの!」
ルルチェに怒られた。
「女性はまだまだこれからよ」
「うん、そうだな」
「わたしたちの本当の力をもっと身につけなければならないわ。そうして初めてわたしたちは変わっていくのよ!」
もっともだな。
俺たちが街を出た頃に、突然空を覆うほどの姿のドラゴンが、飛んで来た。
「あれ、ヴァーラントじゃないか?」
ホントにヴァーラントだった。
ヴァーラントは俺たちのすぐ近くに降り立った。
「冒険者たちよ。妙な噂を耳にしたのだが、我が冒険者の女に下僕として使われたという話だが、それはお前たちのことでよいのだな?」
ヴァーラントにまで、盛った話が伝わっていた?
俺たちは固まる。
どうするんだ、コレ?
どうするどうする?
マズいよ、ホントに!
読者の皆様に幸あれ!!