第三百三章・ブランバードの崖
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第三百三章・ブランバードの崖
俺たち一行は、エールドの谷の終わりまで来た。
「この谷を上がるには、どうすればいいんだ?」
俺は素朴な疑問のように、ルルチェに訊いた。
「さぁ‥‥‥。わたしはそこまでは‥‥‥」
「え、地図だとどうなっている?」
「谷とだけ書かれているわ。それだけよ」
「じゃあ、この目の前にある崖を登らないと、上には上がれないってことか?」
「この崖は載ってる。ブランバードの崖と言うそうね」
「名前はいい。どうやって登るんだ?」
ルルチェはフッと笑って、ため息をついた。
「リューイチ、頑張って!」
それは、俺に登れというのか?
「全員で登ろうぜ!」
「それはダメよ!」
「なぜ?」
「あなたが下だと、ほら、スカートの中が見えちゃうじゃない」
まぁ、俺とコマドリ以外の二人はスカートだが。
てか、これまでもずっとスカートで、よく冒険してきたよな。
「俺が最初に登れば、それは解決するってことか」
「それもあるけど、あなたに上まで登ってもらって、ロープを垂らしてもらえれば、それを使ってわたしたちが登りやすくなるじゃない?」
「そういうことかよ」
「そうそう。お願い!ね、ね!!」
女子にそう言われると、男は弱い。
女子の前ではカッコつけたがるのが、男の性。
「ま、いいだろ!ロープを貸せ」
「はいはい!」
ルルチェは俺にロープを持たせた。
また雪山映画のように、俺が崖を登るのね。
さっさと終わらせよう。
俺はロープを持ったまま、崖を登る。
この辺は割愛するが、俺は頑張って登った。上がってしまえば、それほどの高さじゃないことが分かった。
俺は上からロープを垂らした。
「登ってこい!」
崖の下に声をかける俺。
ルルチェ、イーゼル、コマドリの順に登ってきた。
皆、レベルが上がってるおかげで、こんな崖は普通に登れた。
スカートの中が見えても女子同士なら気にしないわけか?
でも、ルルチェはともかく、イーゼルはコマドリに「上を見ないでください」と、声をかけていた。
イーゼルはやっぱり、純な女の子だ。
そうこうしているうちに、全員が崖を登り終えた。
「さぁ、お次は何だ?」
ルルチェが地図を広げた。
「女犯三羽烏のひとり、アンジェリカ・プラットのところへ行こうか?」
「ヴァイオレット・コーニーの次は、クレメント州知事のところか?」
「あ、でも、ちょっと冷やかしに、シア・ラース王朝へ行ってみない?」
またバカなこと言い出した。
この姫は‥‥‥。まったく。
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