第三百章・リカ
今日は天気が良いので、仕事に出掛けます。
第三百章・リカ
「ひょっとして、魔女なのか?」
メデゥーサは興味津々な目で、イーゼルを見た。
「そうです、この子は魔女です」
ルルチェはイーゼルを自慢する。
「それはすごい!リカの呪いを解く魔女とは、さぞレベルが高いのだろう」
それを聞いたイーゼルは、また顔を真っ赤にする。解呪に関しては、思い出したくはないようだ。説教的にキスをしたわけじゃないからな。
「この子はそうですね。でも、どうしてこの城に呪術師が?」
「ああ、リカのことか。リカはこの辺りをウロウロしていたのを助けたのだ。10年くらい前かな?」
「10年?」
「そうだ。10年前だったか。そして今は、このメデゥーサの身辺を守る役、そしてこのメデゥーサを狙う者を足止めさせる刺客として雇っているのだ。のう、リカ?」
「はい。わたしはこの世界の人間ではないので、右も左も分からなかったところを、メデゥーサ様に救われたのをきっかけに、こうして今に至るのです」
「リューイチも、この世界の者じゃないと、よく言っていたけれど、もしかしてリューイチと同郷?」
「リューイチとは、わたしが呪いを掛けた男の人ですか?」
「うん、そう。そこにいるわたしの仲間よ」
ルルチェは俺の方を指さした。
「リューイチ‥‥‥。私と同じ、日本人の名前‥‥‥」
「え、ニホンジン?」
「はい。そこがわたしの前世の世界です。名前もそのままです」
「リューイチ!やっぱりこの女の人、あなたの関係者よ!フランジータ寺院でも言われてたでしょ?」
「ああ、そのようだな」
俺はリカの前に立った。
「わたしは女神ルシフィーネの過ちによって、いきなり死なされました」
リカは語り始める。
「フランジータ寺院に二日ほどお世話にはなりましたが、そのあとは、路頭に迷いました」
「フランジータ寺院に新しい宗教を持ち込んだってのは、あんたのことか?」
「そうです。わたしはキリスト教の関係者だったので。でも、お祈りの最中にわたしは、心臓発作で死にました」
ああ、この人もあの女神の十億分の一くらいの確率でミスをされて、死んだのだな。
ルシフィーネはもう、早く地獄に落ちろ!
てか、転生者は皆、この世界に来て、ならず者とかになってるとか、この世界、ホントに大丈夫か?
実は俺は運が良かったのかもしれない。
俺は一応、冒険者になれたのだから。
まぁ、ゲームとかやってたから、このロールプレイングゲームっぽい世界に強かったのが理になっていたのだと思うな、今さらだが‥‥‥。
読んでくれる人たちに幸あれ!!