第二十九章・コロシアムで戦うぞ!
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第二十九章・コロシアムで戦うぞ!
翌日の午前中、城下の人たちがたくさんコロシアムに集まっていた。
イーゼルに聞くと、どうもチケットは完売し、立ち見まで出てるという話だ。
ポスターやチラシまで買うやつがいたとか。ロックスターのコンサートか。
俺と最強の戦士エルデというやつは、ちょうど正午に決闘開始らしい。ファイトクラブよろしく賑わっているようだな。
さて、俺は愛刀マーシャル・ソードの手入れをしていた。
コロシアムのど真ん中での俺は、冷やかしの連中が、いろいろヤジを飛ばしているが、俺は無視した。うぜーんだよ。
そういえば、俺には一度か二度か、タイマンをしたことがある。もちろん生前の話だ。
まぁ、あれをタイマンと言っていいのかどうか……。
不良たち数人に囲まれて、一番強いケンカ自慢のやつが俺を気に食わないという理由でタイマンを要求してきたのだ。
相手は絶対に自分が一方的に殴れることを目的にして、それをタイマンとして成立させようとしていたのは見え見えだった。あんなのはタイマンとは言えない。イジメの一環なのだ。
なので、俺は抵抗した。相手は俺が少しはやると思ったのか、すぐにタイマンは成立しなくなり、他の取り巻きも俺に攻撃してきた。当然俺は負けた。ってか、ボコられた。そんなタイマン経験が俺にはあった。
でも俺は、そんな汚いマネはしない。ちゃんと戦ってやる。そして、勝つ!
* * *
正午前、王様が集まった多くの民に大声で言った。
「これより、最強を誇る偉大な戦士リタ・エール・ド・エルデと猿にも劣る冒険者リューイチとの決闘を行う。これに勝利した者に、我が娘ルルチェを嫁に出す!皆の目でその顛末を見届けようではないか!」
ものすごい歓声が上がる。これはすごい迫力だな!
グラディエーターみたいだ。というか、俺は今、グラディエーターの立場なのだ。
俺の前に一人の男が立つ。超イケメンで、爽やかそうなやつだ。
彼が例の最強の戦士で、どっかの王族の息子のエルデとかいうやつだ。見た目からして20歳くらいか。どこでの最強かは知らんが‥‥‥。
武器は剣と盾を持っていて、甲冑も着てる。
なるほど、こいつは強そうだ。
俺の武器はマーシャル・ソードのみ。
俺の方が不利な条件でも、関係ないといったところか。俺がやられれば、皆ハッピーってわけだ。審判もいないしな。
陽が高く登った。
「では、決闘を始めるが良い!さぁ、始め!!」
王様の声が響く。
マイクも無しで、よくそんなに大声出せるな。
変なところで感心してしまう間に、様子を見るエルデの姿が目の前にあった。
慎重なこった。
それとも、簡単に倒してしまうには少々、物足りないとでも思ったのか?
「君が冒険者か。この平和な時代に妙な方だ。僕は人間相手では不足でね。獣相手でも勝てるくらいには強いよ。それに殺すにはまったく惜しくないやつだよ、君は。ルルチェ姫には君はふさわしくない」
はいはい、どうも。
なるほど、騎士道精神は少々は持っているようだな。
では、タイマン行くぜ!!
俺は自分のマーシャル・ソードを振り上げた。
ああ、俺って相手とは違って剣の扱いがなってないな。今度剣術でも練習してみようかな。
でも、この戦いにはまったく必要ない。
俺は武器を振った。相手には当たらないように工夫して、さらに剣を薙いだ。それも思いっ切り。
相手の甲冑は壊れなかったが、剣は折った。そしてそのまま俺の剣の勢いで、エルデの体はぶっ飛んだ。それもコロシアムの外に飛んでいくまで。
はい、俺の勝ち!
チートなめるなよ。
誇り高き最強の戦士が飛んでいくという、シュールな絵に皆、唖然としているようだった。
その中でも王様の反応が一番面白かった。目でも飛び出すんじゃないかというような表情で笑える。
さぁ、最強はいったい誰かな?
俺は自己満足に浸った。女神ルシフィーネに感謝したのは初めてだったかもしれない。
サンキュな、ルシフィーネ!
やってやったぜ!!
インド映画「バーフバリ」観ながら頑張って書いてます!!読者の皆さん、読んでいただいて本当にありがとうございます!!