第二百九十四章・解呪は口づけから?〈後編〉
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第二百九十四章・解呪は口づけから?〈後編〉
イーゼルは、燃え尽きて、椅子に座ってうなだれている俺の顔を、両手で持ち上げて、言った。
「リューイチ、まだ燃え尽きないでください」
「ん?」
「いきますよ。これは女の子がする、究極の解呪ですからね。責任は取ってもらいますよ?」
「はい?」
「情けない声、出さないでください。これからわたしは口から魔力をあなたの口にぶち込みますからね。いいですね?では!」
イーゼルは俺の口に自分の口を当て、フーッと、魔力を吹き込む。
俺は自分に何が起きているのか分からなかった。
でも、気持ちが少し、持ち直すのを感じた。
あ、でも足りない‥‥‥。
一回じゃ足りないのをイーゼルも感じたのか、もう一度口に魔力を送り込む。
また少し、気が持ち直してきた。
あと二、三回、イーゼルは魔力を俺の口に吹き込んだ。
俺の中の、何かのモヤモヤが、パンッ!と弾ける感じがした。
俺はやる気が戻った。
もう、目が違う。光を取り戻したようだ。
解呪成功だ!
「イーゼル!」
その時、さらにイーゼルが口を、俺の口に合わせてきた。
あ、もう俺は‥‥‥。
イーゼルは気づいてなかった。
目をつむって、強引にキスをするイーゼル。
もういいって!
でも、イーゼルは俺の口に魔力を吹き込んだ。
「イーゼル‥‥‥」
ハッと気づくイーゼル。
「リューイチ、もう?」
「ああ、もう大丈夫だよ」
「え、それじゃ、わたしは‥‥‥」
「スマン。ご馳走様!」
「いやああああああ!!」
イーゼルは恥ずかしさのあまり、大声を上げた。
「どうした?」
コマドリとルルチェが部屋に入ってくる。
「リューイチのバカッ!!」
「ええ?」
「変態っ!スケベ!!」
「な、何を言ってるんだ?」
混乱する俺に、一発ビンタが炸裂した。イーゼル、お前けっこう力強いな。
「リューイチのスカタン!!」
そこまで言われるのか、俺は?
「解呪、終わったようだな」
コマドリが言った。
「そうみたいね。イーゼルは気の毒かもだけど」
ルルチェも安堵する。
「さぁ、それじゃ冒険再開しましょ!」
それでもイーゼルは、赤くなった顔を手で押さえていたままだった。
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