第二十八章・ライバル出現?!
読者様が読んでくださるので、今後も続けられていると思います。読者様は神様です!!
第二十八章・ライバル出現?!
リューイチは固まっていた。ルルチェの発言が物議をもたらすのは目に見えている。
俺が結婚相手だと?自分が冒険するためにどんな言葉を選んだんだよ!
ああ、何でこんな展開に‥‥‥。
「あの、俺は特にそんな気は‥‥‥」
しかし、ルルチェが話を先に持っていく。
「お父様、彼はわたしを何度も救ってくれました。命の恩人でもあるのです!」
命を助けたことなんかあったか?
「だから彼は、勇気と謙虚さ、強さに誠実さを持っていて、わたしのためにたくさん頑張ってくれました。本当に素敵な方なんです」
俺、そんなんだっけ?盛り過ぎじゃね?
てか、よくそんな出まかせ、スラスラ出てくるな。
いや、そういうことじゃない。俺はこのままだとダ・ガールの家系に組み込まれるようになるぞ!
いや、それでもルルチェは旅の存続のために言っているんだ。
これはアレだ、狂言ってやつだ!
「ルルチェよ、本当にあのとぼけた顔のやつが、そんなにもすごい冒険者だとでも言うのか?本当なのか?」
「はい、お父様」
「見えん。見えんぞ!あんなヘタレなイメージが漂うあんなやつが、お前の理想の相手だと言うのか?」
「彼とわたしは、それでも愛し合っているのです。結婚して、わたしは城を出たいのです」
城を出たいは本音だろうな‥‥‥。ってか、それが目的なんだから、結婚自体が狂言なのだ。うん、そうだ。あいつマジでバカだな。
「まさか、お前はダ・ガールの名を捨てるというのか、ルルチェ?」
「はい!」
「そ、そんな」
「お父様の後を継げないのは分かっています。でも、娘である私の気持ちも考えてください。わたしはお父様のような結婚は望みません。自分で決めた結婚相手のもとに嫁ぎたいのです!」
おいおい、そんなこと言っていいのかよ?もう引っ込みつかなくなるんじゃないか?
確かにルルチェはブロンドの髪が輝くほどのきれいな、それこそ人形のようにきれいな、いろんな意味で美少女だ。いや、美人と言ってもいいほどの女だ。でも、そんな、あいつと結婚なんて。
「お、俺はルルチェと結婚なんかは‥‥‥」
ルルチェがまたしゃべりだして、俺の声をさえぎった。
「わたしは彼と、寝食を共にしました。ひょっとしたら、お父様の跡継ぎが出来てるのかも‥‥‥、わたしのお腹に」
コイツ、バカだ!!なんということを言ってるんだ!
俺の命無いぞ!
「ま、まさかそんな。お前とあいつが、もうそんな仲になっているだと?!」
「ええ。彼は大胆でしたよ。きっと強い子が出来てるかも」
「あいつは処刑じゃ!衛兵!!」
だから言わんこっちゃない。こうなると、俺とダ・ガールは戦わなくてはならなくなる。
あいつは本当に賢者なのかよ。ってこれ、何度思ったことか。
その時だった。衛兵の一人が王の間に入って来て、「王様!エルデ様です。フランフラト州のリタ・エール・ド・エルデ様がおいでになりました!」と、言った。
え、何だ。誰が来たって?急展開かよ?
「エルデか。よく来たと言え。こいつはありがたい!」
どういうことだ?
「お父様、エルデとはまさか、リタ・エールの御曹司の?」
「ああ。慰安旅行がてら、リタ・エール城に寄ったのだ。今後の我々ダ・ガールとの平和のためにも国交のためにも、お前の結婚相手にと、呼んでいたのだ。いや、まったく良いタイミングじゃ。儂も忘れていたわい」
「わたしの結婚相手?」
「ああ。儂はもう決めておったのじゃ。お前の幸せのためにな。そのエルデと結婚しろ。儂の顔は潰さんでくれよ、ルルチェ?」
「そんな!」
「そのリューイチとかいうクソガキは首をはねておけ。じゃ、決まりな。まさか親の決めた相手をないがしろにはするまい。なぁ、ルルチェよ?」
「リューイチの首ははねても、お父様のお決めになった相手とは結婚できません。わたしが11歳の時もそうだったでしょう?」
「儂はあの時、お前を追わなかっただろう?少しの時間だけお前に猶予を与えただけじゃ。お前の結婚相手は儂が決める。いいな?」
何気に無視されてるが、俺の意見はどうなった?てか、俺の首はねるとかいう会話してませんでしたか、あんたら?それにルルチェまで。暴れるぞコラ!
「では、リューイチとエルデを勝負させましょう、お父様。それなら白黒つけられます。それで判断いたしてください」
と、ルルチェ。
「あのヘタレ顔のガキと、最強を誇る戦士でもあるエルデをだと?それで決めると言うのか?」
「ええ。勝った方が、わたしの婿になります」
「お前がそれでいいというのなら、そうしよう。分かった。明日、コロシアムで決闘だ。それでいいな?」
「はい!」
なんか、おかしなことになってしまったぞ。でも、いいか。
俺は首はねられるのは嫌だからな。
「分かりました、王様。俺も正々堂々と戦いましょう。タイマンは大歓迎です。それで俺が勝ったら姫を旅に再び連れて行く許可をください」
「ああ、よいぞ。勝ったらな。明日が楽しみだ!」
王様は上機嫌になった。当然か。俺が負けると思っているのだからな。
「貴様も卑怯なマネはするなよ?お互いの剣で戦い、相手を殺すか戦闘不能にした方が勝ちにしろ。それでいいな?」
「ええ。でも殺すのはちょっと‥‥‥。負けを認めた時点で負け、それでいいでしょう?」
「そんな心配はいらんよ。どっちにしろ貴様は明日、生首を転がすことになるのじゃからな」
物騒なこと言うな、この王様は。
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