第二百八十八章・チートでも、こういう時は‥‥‥。
映画「わが青春のアルカディア」のブルーレイがAmazonから届きました。キャプテンハーロックはお気に入りのキャラです!!
第二百八十八章・チートでも、こういう時は‥‥‥。
クル・リーフの土地に入ると、一段と寒さが増した。
「寒い!これは寒い!マジで寒い!ホントに寒い!」
「いちいち大げさですね、リューイチ」
俺の悲鳴に、冷静に答えるイーゼル。
「いやいやいや、お前は寒くないのかよ、イーゼル?」
「わたしはかなり着込んでいますから」
イーゼルは真顔で言った。
ここはシリアス違うと思うぞ?
「いや、これは何?八甲田山か?雪の進軍かよ!」
「ハッコーダサンって何ですか?雪のシングン?」
日本人にしか分からないジョーク。
「だいたい、ここは雪原地帯ばかりじゃないか!街は?」
「ルルチェによりますと、ワードルの街というのがあるようです」
「地平線の向こうには見えないぞ?」
「じゃあ、もっと先なのでしょう」
冷静に返されると、こっちも困る。
「地吹雪のリンを思い出すな、そういや」
「あの方は氷の大地でしたよ。ここは雪の国です」
また冷静に返された。
「まぁ、街に着いたら靴も厚手のものに変えよう」
「それはいいですね。凍傷対策になりますし」
「それ、大事な」
しばらくすると、街が見えてきた。雪の積もる街だ。
まずは宿を確保して、それから買い物だ。
俺たちは宿に行って、部屋を取る。
その時、俺は体が冷えてきて、背筋がゾクッとした。
マズい。これはちょっと、今になってコレかよ?
何てタイミングだ。
俺は頑張ったが、それでもコレには勝てない。
チートでもダメだ。
「スマン、俺もやっちまったようだ。みんなスマン」
「何を謝って‥‥‥」
イーゼルが俺に気づいた。
「リューイチ、まさか‥‥‥」
「ああ、そのまさかだ。もう限界だ。ホントに悪いな」
そう言うと、俺はその場で倒れた。
風邪って怖い。
俺はベッドに寝かされた。
熱もあるし、体がだるくてキツイ。
「俺も風邪にやられたよ」
寝ながら俺は言う。
「見れば分かります」
イーゼルが言葉を返した。
「こういうのって、自己管理不足だよなぁ」
「それもありますが、リューイチの場合、無理し過ぎなのでしょう」
そう言ったイーゼルだが、内心はとても心配してるようだ。
顔に出さないだけで、冷静さを保っているようだった。
「イーゼル、そんなに気を揉まなくていいぞ」
「分かってます」
今度は俺が看病される番なのかよ。
まいったな‥‥‥。
「わが青春のアルカディア」バリヤフリー日本語字幕入っていれば、なおのこと良かったですが‥‥‥。