第二百八十六章・次の冒険へ!
いつも読んで頂きありがとうございます!!
第二百八十六章・次の冒険へ!
アトランティス大陸の洪水から逃れたアトランティック号は、真っすぐ南下する。俺たちは甲板にいた。海面を見ていると、泳いでいる半魚人のリア王女とアトールが見えた。
「わたしたちは海に生きます!心配しないでください!」
リア王女は、俺たちに向かって叫んだ。
「これからポセイドン様の海底神殿へ向かいます。ありがとう!」
ありがとうって、俺たちは別に何もしてないんだけどな。
ルルチェが甲板から身を乗り出す。
「アトランティスの皆さん、国神ポセイドンの導きがありますように祈っています!」
手を振るルルチェ。
「さようなら!」
リア王女とアトールは、去っていった。そのまま身を海に沈め、消えていく。
「これはこれで、悲しい出来事だったな」
俺は海面を見ながら、そう言う。
「いいえ、彼女らはポセイドンのところへ行くのよ。神のいるところへ!」
「神か‥‥‥」
海は少し、荒れてきた。
「このまま、クル・リーフへ向かいましょうか?メデゥーサにこのことを伝えなくちゃ」
「メデゥーサって、ポセイドンの愛人のか?」
「ええ。秘密結社『ゴーゴン』がある、クル・リーフの谷へ行けば、会えるわ」
「また戦いになるんじゃないのか?」
「心配性ね、リューイチは。杞憂って言葉を知ってる?」
「杞憂で済めばいいがな」
「じゃあ、決まりね!」
「イーゼルたちに相談は?」
「これからするわよ」
「ま、いいか」
「それでこそ、冒険者!」
「ハイハイ、ルルチェには敵わない」
俺はフッと笑った。こんなに静かに笑ったのも久しぶりな気がする。
ルルチェは船内に入っていく。
俺はもう少し、甲板にいることにした。
読者の皆様には感謝です!!