第二百八十五章・アトランティスの終焉
今日は仕事で出てました。急に忙しくなるとは‥‥‥。こうして更新できるのもタイミングのおかげです。
第二百八十五章・アトランティスの終焉
俺たちが一泊した後、アトランティスは大きな揺れに遭遇した。
地震か?かなりの揺れだ!
俺は、この国の危機を感じた。
まさか!
俺たち一行は、リア王女のところへ急ぐ。途中でアトールに会ったので、一緒に行くことにした。
「これは、この大陸では普通なのか?」
俺はアトールに訊いた。
「これほどの揺れは初めてです!」
「なら、避難が必要か?」
「訓練は、王国全体でしてますから、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、たぶん」
たぶんと来たか。
「そうか、なら‥‥‥」
リア王女のところへ来る俺たち。
「リア王女様!」
アトールが叫ぶ。
リア王女は、ただそこに立っていた。
「アトール、みんなを避難させて。この連鎖反応。やはりこの日が来ましたか」
「リア王女様は?」
「わたしはここで、アトランティスとともに沈みます」
「そ、そんな!」
こういう、例えるなら、船が沈む時、船長が船とともに沈んでいこうとする行為を、映画やドラマで観たことはあるが、これは職務放棄だろう。
こういう時でも、自分が何かの役に立つことはあるはずだ。
それを放棄するなんて、ダメだろ!
「王女!そこであんたが死んでも何もならない。それよりも‥‥‥」
「わたしがいて、何ができるというのです?」
リア王女は、大声で言った。
「避難する人たちを導いて、一人でも多くの命を守ることが、本当の王族でしょう?」
「そ、それは‥‥‥」
「虚しさに嘆いてないで、一人でも多く、救ってやりなさいってことだよ!」
「‥‥‥」
「もう、分かっているだろう?」
「‥‥‥そうですね。わたしにしか出来ないこともあるのでしょうね」
「ああ。俺はそう思うよ、王女!」
背を向けていたリア王女は、こっちを向く。
俺はうなずいた。リア王女もうなずく。
地震の影響で、大陸にあった休火山も目を覚ました。噴火する火山により、アトランティスの建造物も壊れていく。火山の爆発はものすごかった。さらに揺れる大陸。
港に停泊していたナオ船、アトランティック号も、帆を張り、出港準備をしている。
民である半魚人のアトランティス人たちは、海に飛び込んだ。
火山弾が、海に降り注ぐ。
王国も同時に崩れていく。
俺たちは、城を出ると、アトランティック号に飛び乗った。最後の乗客になったようだ。観光に来たのが、これでは最悪な展開になったようだ。でも、アトランティスはもう終わりだ。
日本も島国なので、日本沈没とかは映画だけで勘弁してほしいが、このアトランティスは、伝説通り、海に沈むのだ。
それを裏付けるように、地震によって発生した大津波が、大陸に押し寄せてくるのが見えた。
「これでアトランティスは終わりだな」
俺たちは、アトランティスが滅びるのを、この目で見た。
「自然の猛威はこんなにすごいのね」
ルルチェが憂いていた。
まぁ、これも天命だ。ポセイドンも分かってたことだろう。
船が安全圏まで来た頃、アトランティス大陸は洪水で、水の中に消えた。
さようならだな、アトランティス。一つの王国が、無くなった。それを実感した瞬間だった。
俺のいた世界では、一夜にして沈んだと言われているが、この世界では朝っぱらから沈むのか‥‥‥。
そこがちょっと解せんな。
このファンタジー小説でいろいろ書けて、楽しく感じます。