第二百八十四章・アトランティスの行く末は。
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第二百八十四章・アトランティスの行く末は。
クル・リーフという、北の大地にある王国の谷間に、ヴァンガスという城があり、そこに住む秘密結社のアジトにいるのが、メデゥーサらしい。
かなりの強敵だそうだ。
ま、チートの俺に強敵はいない。ドラゴンのヴァーラントは別だが。
そんな情報をあっさりと漏らすということは、ポセイドンとメデゥーサはもう冷え切った仲なのだろう。
「それで、この国の行く末については?」
俺は広い廊下の真ん中で、海が見える窓があるところでルルチェに訊いた。
「ここはもう、かなりの危険地帯になっているらしいわよ。今日明日、沈んでも、何ら不思議ではないらしいと言っていたわ」
「そんなにか?」
「ええ。このところ海底地震が多くて、いつ大波が大陸を襲うか分からないそうよ」
「海底地震か。それはどうしようもないな」
「その通りよ。災害対策はしてるらしいけど、それでも大陸沈没となれば、どうにもならないらしいわ」
ポセイドンの神の名のもとに、このアトランティスは海の中に沈みゆく運命なのか?
「そ、それじゃあ、俺たちは阿鼻叫喚にパニックになるのを、指をくわえて見てるだけってことか?」
「それが今日か、十年後かは分からないんだけどね」
「そんなにふり幅が大きいのか」
「そういう不安定な国が、このアトランティスなのよ」
面倒なところだ。
「でも、大陸が滅びたら皆、海へ逃げるんだろ?」
「それは最後の手段よ」
でも、遅かれ早かれ、大陸沈没は避けられないということだ。
「ってことは、俺たちに出来ることは、何もないわけか‥‥‥」
「助けたい気持ちはわかるけど‥‥‥」
「救世主になりたい気はないぞ」
「救世主はともかく、あなたの気持ちは、わたしは分かる」
そう言われてもな。
「俺たちにはどうすることも出来ない」
「そうね。これは戦争でも飢饉でも疫病でもない。自然現象と言ってもいいわ」
「俺たちは救おうとし過ぎだな。ただの冒険者なだけなのに」
「これも冒険の内よ」
俺とルルチェは窓の外から水平線の先を見つめて、夕暮れにたそがれた。
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