第二百八十三章・アトランティスでの食事は竜宮城並み?
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第二百八十三章・アトランティスでの食事は竜宮城並み?
俺とイーゼルとコマドリの三人は、豪華なテーブルと椅子のある部屋へと案内された。
「座ってください」
侍女らしき人、というより半魚人が、俺たちを椅子に座らせるように促す。
ここに座ればいいんだな。
俺たちは椅子に座った。
「これからランチなんですよ。どんどん食べていってくださいね」
そう言われたら、断れない。
まぁ、腹は空かしていたけどな。
「それではどうぞ」
食事を運んで来る王国の侍女たち。
これは、魚介類の料理?
エビやらカニやら魚が、皿に載せてある。
俺はその中でも、焼いた小さな魚に目をやる。
よく見ると、メザシのような魚であった。
俺はその一匹を、指先でつまんで、目の前に持ってくる。
食べてみたら、口の中でプチプチした触感がした。
これって、ししゃも?
「この料理は何?」
俺は侍女に訊いてみた。
「エッグ&フィッシュです」
そのままだな‥‥‥。
「これは、俺のいた世界では、ししゃもって言うんだ」
俺はイーゼルたちに説明する。
「どこの国の言い方ですか。これはエッグ&フィッシュですよ?」
イーゼルが言った。
そうなのか?てか、通じねぇ‥‥‥。
コマドリも、ししゃもを食べる。
「うむ、わたしの育った山では、海の幸に乏しかったから、こういう料理は珍しいんだ」
コマドリにとっては、新鮮な感じなのだろう。意外と感激していた。
「でも、ここはまるで竜宮城だな」
俺は食事をしながら言う。
「リューグージョーとは何なのだ、リューイチ?」
コマドリに訊かれた。
「えっと、浦島太郎が行った、海の中の豪華な城でな‥‥‥」
「ウラシマタロー?」
「亀を助けた人だよ」
「よく分からん」
「亀を助けたお礼に、竜宮城という海底の城に連れられて、そこで豪遊するんだ。そしたら300年が経っていて‥‥‥」
「たかが、亀を助けただけで、水中で豪遊とはな」
「いや、そういう話だから」
「それに300年も遊んで暮らしたとか、どれだけ長生きしたのだ?それで遊んで終わったとか、一体どういう人なのだ?それでどうなったんだ?」
「玉手箱っていうお土産をもらって陸地に戻ったら、初めてそこで300年が経過していたことを知るんだ」
「どこのバカだ?そんなのが分からなかったのか?アホみたいな人だな。残念な人だ!」
「そういう話だから。それで玉手箱を開けたら、白髪のおじいさんになってしまいましたとさ。ハイ、終わり」
「亀を助けてバッドエンドか。あとは野垂れ死にか?どういう物語だ。誰もそれに疑問を抱かなかったのか?悲劇だぞ、それ」
「いや、もういいよ。なんかスマン‥‥‥」
俺は食事に戻った。
まあ、ここが竜宮城でも悪くはないからな。帰りにマジで玉手箱でも持たされたら、最悪だけど。
食事が終わる頃、ルルチェが部屋へ入って来た。
「よう、どうだった?」
俺はルルチェに声をかける。
「あ~、あなたたち、三人だけで食事してたの?わたしの分は?」
それは知らん。
「まぁ、座れよ。それで、どうだった?」
椅子に座りながら、ルルチェは話す。
「海底に神殿があって、そこへ移住するとか言っていたわ。ま、ここが沈んだ後のことだけどね」
「それだけ?」
「まさか!もっと重要なことを聞いたわ」
「何だよ?」
「愛人にメデゥーサがいるんだって」
メデゥーサって、あの髪がヘビになっている女の魔族か。ポセイドンの愛人かよ。俺のいた世界での伝説というか、神話通りだな。
「それで?」
「クレアスフィアの一つを持っているって言われたわ」
「え?」
読者の皆様に幸あれ!!