第二百八十二章・アトランティス王国の行方。
書き溜めている章での最終章では、もう中盤に差し掛かっています。もうすぐ終わるのかなぁ?
第二百八十二章・アトランティス王国の行方。
俺たちは城の中の、らせん階段を下りていった。先頭を歩くリア王女が、俺たちを下へ案内する。
やがて俺たちは、大きな泉に出た。周りは岩壁に囲まれた洞窟のようになっていた。
「ここは?」
俺はリア王女に訊いた。
「この泉と同じ水かさくらいに、この大陸は沈んでいってるのです」
なるほどな。ここの水は沈んでいる目安になっているのか。
「アトランティスは、この世界で唯一の海洋国家。沈むのは時間の問題でしょう」
悲観に暮れるリア王女は、ため息をついた。
「この王国は50年前に、魔王の支配から逃れてから、一度は安堵しました。でも、次は水害。いずれはここを捨てて、わたしたちは海で生きるさだめなのかも‥‥‥」
「海で生きるとは?」
「わたしたちは水陸両生類の民族。魚として生きる用意も出来ているんです」
つまり、陸でも水の中でも生きていけるってことか。
「ここの神、ポセイドンは、どう言ってるんです?」
「国神ポセイドン様は、運命を受け入れろと‥‥‥」
「必ずしも、大陸の沈没に悲観されているわけではないようですね」
「ポセイドン様がいる限り、アトランティスが無くなってしまっても、民は救われます」
「その、ポセイドン様って人にも会ってみたいな」
「ポセイドン様は人ではありません。神です」
リア王女は俺の方を向いて、言った。
ポセイドンか。会ってみたいな。
「その、神様には会えないのかい?」
「会えますよ。でも、その資格があるかどうか‥‥‥」
審査でもあるのか?
「ダ・ガールの名を出せば、会ってくれるんじゃないのか?」
「それならば、ルルチェ姫がその資格を得ています」
王族だからかよ?
VIP待遇だなオイ!
「ルルチェ、代表して、ポセイドン様に会って来てくれよ」
「わ、わたしが?」
ルルチェが大きな声で言った。
「お前は王族の姫君、ダ・ガール・フォー・ルルチェだろ?」
ルルチェはグッと唇を噛んだ。
「わ、分かったわよ。会って来てあげる」
そう来なくっちゃ!
行って来いVIP!
俺たちは一度、城の上に戻ると、ルルチェがアトールとともに階段を登っていった。
前書きで終わるかもと書きましたが、それでもでもまだ終わりません。いろいろ励みにしたいので、感想やレビューもお待ちしております!!