第二百七十九章・出発!アトランティス王国へ
こういうファンタジーを書きたかったですという思いのエピソードです。
第二百七十九章・出発!アトランティス王国へ
宿を出た俺たちは、さっそく港の方へ行った。大きなナオ船が一隻あった。その他には中くらいの大きさの船がたくさんある。
漁業が盛んな港らしかった。
波止場へ行くと、ナオ船『アトランティック号』の乗船券が買えるチケット売り場があったので、そこで四枚のチケットを買う。
「アトランティスへの出発は、午後四時になります」
チケット売り場の女性が言った。
「はい、分かりました」
俺は頭を下げると、チケットを受け取った。
「リューイチ、何で出発時間を聞いただけなのに、頭を下げるの?」
ルルチェが不思議そうに訊いてきた。
「ああ、礼をしただけだよ」
「礼?」
「ただのお辞儀さ」
「ふ~ん、よく分からないわ」
「俺のいた国では、そうするんだよ」
「面白い国なのね」
「面白いとか、失敬な!それより、体調はもういいのか?」
「大丈夫よ。もう元気だし」
「ぶり返さないでくれよ?」
「大丈夫だってば!」
「なら、いいが」
「あなたはイーゼルの心配でもしてなさい」
「べ、別にイーゼルは関係ないだろ!いや、心配はするけどさ。俺は公平だぞ?」
「どうだか。リューイチがお人好しなのは分かってるけどね」
「それ、褒めてるのか?」
「いい人ってことよ。他意は無いわ」
こいつ‥‥‥、置いて行こうかと思うよ、まったく。
俺たちは乗船した。
船が苦手なのは、俺のトラウマに関係していることなので、やっぱり苦手なのだが、それでも船に乗るのはもう慣れた。
いつか自分たちの船を持ちたいな。そう思った俺だったが、ダ・ガールに海は無かった。
残念!
アトランティス王国への船旅は、一日使うくらいの距離があるので、寝てたら着くだろう。
それにしても、アトランティスってのは、俺が知ってる神話では、プラトンが行ったことで有名だし、たった一夜で大洪水によって海に沈んだという伝説だったような‥‥‥。
この世界のアトランティス王国は違うのか?
少しずつ大陸が水没しているって話だったが、沈むことには違いは無いようだ。何だか悲しいな。
時間になると、船は帆を張り、動き出した。
さあ、いざ、アトランティス王国へ!
今日は早めに更新させていただきました。どうぞ!!