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第二十七章・え、報酬ゼロ?しかも命無いって‥‥‥。

一日に150を越えるアクセス数をありがとうございます!!

第二十七章・え、報酬ゼロ?しかも命無いって‥‥‥。



 ルルチェが王都ダ・ガールを離れて一か月以上経つ。そろそろ里帰りがてら、城に戻ってもいいはず。

 でも俺には一つ、嫌なことがある。

 ルルチェを連れて、その辺一周してから冒険したように思わせて、すぐに帰ってこいと言われた役人と顔を合わせるのが難しいというか、実際会いたくないというか、まぁ、そんなところだ。

 だいたい賢者であるルルチェを騙せるわけないと思わないのか?

 でも、ルルチェはルルチェで、冒険に連れて行かないとギロチン刑にするとか言ってたし。

 

 もうそろそろ、王様もお妃さまも慰安旅行から戻っているだろう。あの役人が死刑というか、ギロチン刑になってないことも祈ろうじゃないか。

 城下を抜けた俺たち一行は、すぐに城へ向かう。

 

 城の門番の衛兵が二人、槍で×の字を作る。

「何者?」

「あ、どうも。冒険者のリューイチと言います。姫をお連れしました」


 ルルチェが前に出る。

「わたしはダ・ガール・フォー・ルルチェよ。お父様に戻ったと伝えなさい!」

 そう言うと、門番はひそひそと話し、一人が城内に入っていった。


十五分後、城の衛兵たちが数人来て、俺たちは中に通された。


ダ・ガール城か。また来たな。

 俺はやはり不安になった。ギロチン刑にされないよう祈った。


*        *        *


王の間に案内された俺たちは、ダ・ガールの王様とお妃さまに会うことが出来た。

「お父様!」

 ルルチェが父のもとに行った。抱き合う二人。その横にいたお妃さまが、ルルチェの頭を撫でる。

「ルルチェ、心配しましたよ。わたしたちが旅行から戻ったら、突然いなくなったって話じゃないの」

「ああ、儂も毎日気が気でなかった。お前が冒険に行ったなんて」

「大丈夫よ。わたし、賢者になったんだから。強くなったの!冒険も順調だったのよ!友達も出来たし」

「友達とは、あの連中のことかな?」

 王様は俺たちを見る。俺は頭を下げた。コマドリとイーゼルもひざまずく。

「冒険の仲間よ。わたしの大切な仲間。だから、法を変えてギロチン刑にだけはしないで」


ん?何か変なこと言い出したぞ。


「でもな、例外があっては示しがつかないのだよ。王族を誘拐した者はギロチン刑に処す。それは我々のメンツでもある」


結局ギロチン刑かよ。ってかダ・ガールはギロチン刑好きだな。


「わたし、いろんなところで冒険したし、まだまだ外の世界を知りたいの。だから、また旅に出たいの。許してくれる?」

「う~ん、あの連中はギロチン刑にするくらい、お前を連れ回った罪深い者たちだが、それはともかく、お前が危険にさらされるのはな~」


俺たちはどうでもいいのか?

てかそんなにギロチン刑にしたいのかよ?


「あの~」

 俺は手を挙げた。

「ん?何だ小僧」


小僧って、まぁ、まだ未成年だが。いや、それはどうでもいい。


「俺たち姫にいろいろ助けられました。彼女は素晴らしい存在です」

「何を言っとるんだ。王族の娘だぞ?素晴らしいという言葉では片付けられないほど高貴な存在なんだぞ?馬鹿か貴様は!」


そんな高貴な人と俺たちは一緒に寝食をともにしてたんだがなぁ、とは言えない。


「それでは、俺たちはどんな冒険をしたと思いますか?なんと、あのアイスクリスタルを手に入れるようなことを成し遂げたんですよ」

「何?あの氷の大地に伝わるあのアイスクリスタルをか?」

「はい。当然ルルチェ姫の活躍もあって」

 ルルチェは特に何も活躍はしてない。とは黙っておこう。


「ここにありますのが、あの……」

 ポケットに手を入れると、溶けて小さくなったアイスクリスタルの塊が出てきた。


あれ?


「何でこの宝石、溶けているんだ?」

 ポタポタと、水が滴っている。


なんじゃこりゃ!


「アイスクリスタルは本来、熱に弱い宝石だ。保存するには冷凍できるようにずっと冷やさないといけないものだぞ。貴様、本当に愚か者だな」


マジでか?


「保存が難しい。それがその宝石の貴重であるゆえんだ。そんなことも知らなかったのか」

「いや、それはその、すみません‥‥‥」

「お前のような愚か者はギロチン刑じゃ!」


いやいやいや!!


「褒美など無し!お前が命で償え」


 その時、ルルチェが「お父様、ギロチン刑に処さなければならないのであれば、魔女のイーゼルも女忍者のコマドリもギロチンにかけなければいけません。そんなことをしたらわたし、寝覚めが悪いです!」

「寝覚めの問題か?」と、俺はツッコんだ。


 だいたい姫で、賢者のルルチェはなぜか、毒舌だ。

言葉に気をつけてくれよと言いたい。


「お父様、わたしはみんなと一緒に旅がしたいんです。どうかお許しください!」

 ルルチェが頑張る。そう、それでいいんだ。


「そうじゃのう、お前に何かあるのが心配なんじゃ。お前には結婚して、幸せになってほしい。それだけなのじゃ、儂の願いは」


「分かりました。ではわたしはリューイチと結婚します!」


はい?

また何か、バカなこと言い出したぞ、あいつ?



基本はスローライフを目指していますので、投稿が遅れる場合がありますので、その辺は本当にすみません。精進だけは欠かさないようにします。

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