第二百七十七章・風邪っぴきの仲間たち〈前編〉
昨日は午前4時まで眠れませんでした。朝が辛かった‥‥‥。
第二百七十七章・風邪っぴきの仲間たち〈前編〉
宿では、イーゼルもルルチェもコマドリも熱を出して、寝込んでしまっていた。元気なのは俺だけだ。これは厄介だ。倒れるのが三人とは‥‥‥。
要は、看病できるのは俺だけってワケだ。
やっぱり海に入ったあと、さらに雨にやられたのが原因だろう。でも三人とも風邪をひくとは‥‥‥。
これはこれで大変だ。
とりあえず、一人ひと部屋取って、ベッドで寝てもらった。部屋代はかかるが、出せなくはないしな。
俺はルルチェの部屋に来る。とりあえず、沸かした湯を持ってきて、布で顔を拭いてやる。汗くらいはぬぐえるだろう。
「なぁ、ルルチェ。お前のヒーリング魔法に風邪を治すやつはないのか?」
「無理ね。これは病気だから、必要なのは薬草よ。持ってないけど」
薬草ね。俺はどれが何に効くとか分からないしな。
薬局に行って買ってきてもいいが、先に病院に連れて行った方がいいかもしれない。
いや、いっそ医者に来てもらうかな。
俺は宿の人に相談した。
医者は、町にいるようだが、来れるのは明日以降だというのだ。できれば今日来て欲しいモンだが。
俺はイーゼルとコマドリのところにも行って、熱を押さえるための絞った布を、額に乗せてやった。これでよく眠るといい。
俺は一人で、宿で適当に食事を済ませると、またルルチェたちが食べられそうな粥を、宿の調理場を借りて作って、持っていってやった。俺も粥くらいは作れる。
宿のカウンターに行くと、女の人が大きなカバンを持って、宿にチェックインしようとしているのが見えた。
大きなカバンだな。
宿の人が、俺を手招きで呼んで、その女性を紹介してきた。
「この方、お医者さんですよ」
「え?」
医者だったのか。旅の格好をしていたので、そうは見えなかった。
「すみません、俺の仲間が病気で。診てもらうことは出来ませんか?」
俺は頭を下げる。お辞儀はタダだ。俺は頼み込んでみる。
「病人を助けるのが医者です。患者のところに案内して」
二つ返事でOKとは、言ってみるものだな。
「当然お代は、はずみます」
「お金の問題じゃないわ。医者は病気の人を治すのが仕事です。さぁ、案内して」
俺は、いや、俺たちは運が良かった。
ご都合主義もいいところだが、これを逃す手は無い。
その医者は、すぐに注射器を取り出して、大きなカバンを置くと、消毒液をしみ込ませたガーゼでルルチェたちの腕に注射していく。すぐに三人とも病状が安定してきた。
すごいな。医者万歳だよ!
読んでくれる皆様には感謝しか無いです。