第二百七十六章・バハークの港町に着いたと思ったら‥‥‥。
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第二百七十六章・バハークの港町に着いたと思ったら‥‥‥。
皆は水着から、いつもの服装に戻った。
「さぁ、これからバハークの港へ向かうぞ」
俺は海の家にまた集まった仲間たちに言った。
三人とも濡れた髪の毛をタオルで拭きながら、話を聞く。
「アトランティスは王国のようだから、きちんとして行かないとな」
「リューイチ、わたしたちは冒険者なのですから、普段着で良いでしょう」
「服装のことじゃないけどな、イーゼル」
ルルチェは長いブロンドの髪をアップして、結びながら俺に言ってきた。
「アトランティスは魚人の国よ、確か」
「魚人?」
「半魚人って言ったら分かる?」
「まぁ、分かるよ」
それならビジュアル的には想像しやすかった。
「アトランティスの土着の民族なのよ」
「へー」
元から半魚人だったのか?
「ポセイドンを神と崇めているの」
「ポセイドン?海と陸を同時に支配してるっていう、あの?」
そういえばゲームでは、敵キャラとして出てくるな。まぁ、それとは関係ないだろうけど。
「じゃあ、船に乗るか。移動しよう」
「船で一泊出来るわね」
俺たちは、海の家をあとにすると、さらに北へ向かった。
それにしても、もうかなり肌寒い風が吹いているのに、まだ海で遊べるのか。シーズンオフぎりぎりだったのか?俺はこんなに冷たい海に入る気は無かった。
三人とも元気だな。
子供は風の子とは言うが、三人とも子供ってわけじゃない。年頃の少女たちだ。
こんなに元気印とは恐れ入る。
俺はそんな子たちの水着姿を拝めただけでもガッツポーズものだけどな。
* * *
夜になる前にバハークの港町に着けばいいと思って、歩いていた俺たち。途中、雨が降ってきた。ヒンヤリする冷気の中で、小雨がパラパラと降ってくる。
「ヤバいな。雨だぞ!」
「わたしたちは平気だ」
コマドリがそう言うが、さっきまで海でパシャパシャやっていた皆は、体が冷えているだろう。そこにこの雨だ。風邪引いたらどうする。
「よし、急ごう。早く港町に着けばいいんだ」
俺は駆け足で歩いた。それに続く三人たち。
夕暮れ時になって、ようやく町のような場所に来る俺たち一行。
「ここがバハークか?」
雨はまだ降っていた。
服を着たまま濡れる、俺を含めた全員。
町の名が記されている看板に目をやる。
『バハークの町』と、書かれていた。
「ここでいいんだな」
ようやく到着した。もうすぐ日が落ちる。
港に行くのは明日だな。今日は宿を見つけてそこに泊まろう。
それを皆に伝えようと思った矢先、他の三人は、いきなりくしゃみをし出した。激しいくしゃみが、三人を襲う。
おいおい、それはマジ勘弁な‥‥‥。
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