第二百七十一章・ヴァイオレット・コーニー様ですか、あーハイハイ。
更新の時間が来ましたので、投稿します。続きをどうぞ!!
第二百七十一章・ヴァイオレット・コーニー様ですか、あーハイハイ。
「この世界で一番大事なのは分かるかい?」
ヴァイオレット・コーニーは、俺たちに問う。
「健康と平和かな」
俺はマジに答えてやった。
「違う。名誉と尊厳、そしてお金。その三つだ」
それがあんたの信条ってワケかい‥‥‥。
悪党が言うには図々しいことだなオイ!!
「わたしの顔をどう思う?」
「顔?」
ヴァイオレット・コーニーのその顔は、見た目は顔立ち整ってはいるが、如何せん目つきが悪くて、陰気なように見えた。
ドラキュラ伯爵のようだ。
いや、ドラキュラの顔なんて、ただの思い付きだが‥‥‥。
「こんな商売やってるから、顔つきが泣いてるんじゃないか?」
「ほう、言ってくれるね」
「ただの俺の感想だよ」
「そうだろうな。この国では女は男の下。それがわたしを苦しめた。こんな容姿じゃ、もっと酷い扱いを受ける。このシア・ラースには、本当の美学が無い」
それは俺も思っているが‥‥‥。
「あんたは子竜の命を奪ってまで、金や名誉が欲しいのか?」
「そうだ。お前もヘタレ顔じゃないか。わたしの気持ちが分かるだろう?」
黙らっしゃい!
ヘタレ言うな。
てか、そんなにヘタレなら、冒険はやってない。
「悪いが、そんな人はいっぱいいるだろう。その人たちはちゃんと自分を受け入れて生きてるはずだ」
「その言葉が一番嫌いだ。わたし一人を救えない世の中など、逆にあってはならないのだ」
「それでも、このドーンパレスは潰させてもらうぞ。子竜たちは全部、俺たちが引き取る。ビジネスももう終わりだ。観念しろ!」
「笑わせる。今、この宮殿は、わたしが雇った傭兵500人が囲んでいるのだ。お前たちはもう、袋のネズミなんだぞ?」
逆包囲ってやつか?
傭兵軍団も、いいように使われているなぁ。
「お前たち、子竜は飛べない。従って、逃がすことも出来ない。屋上に逃がしてやったって、意味は無いことに気づくべきだ。え?冒険者!」
その時、何かの轟音が聞こえた。
何か、大きいものが、外を飛んでいるようだった。
この音はまさか‥‥‥。
ルルチェがニコリと笑顔になった。
「ヴァイオレット・コーニーさん。あなたは二つ、知らないことがあります。一つはここにリューイチというチートスキルの者がいること。もう一つは、あと50年は寝ていたいと言っている、寝起きを起こされたドラゴンが目覚めたことよ!」
外からの轟音は、やはりあのドラゴンか!!
そう俺は確信した。
次の章では、あのドラゴンが再登場します。ここまで書いた甲斐があったです。