第二百七十章・第二の守りとヴァイオレット・コーニー
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第二百七十章・第二の守りとヴァイオレット・コーニー
俺とイーゼルとルルチェは、屋敷の中を見回した。子竜たちが叫び続ける声の方に行くと、上の階の方に大きな部屋があり、そこにたくさんの檻の中に閉じ込められていた子竜がいる場所に来た。
「ここが‥‥‥」
俺はその子竜の多さに驚いた。250匹以上はいる。
「日が完全に沈み切る前に、この子たちを助け出さないと!」
ルルチェが叫ぶ。
何でそんなに急ぐのかは訊かないが、俺たちは子竜の入っている檻のカギを壊して回って、子竜たちを外へ出してやった。
翼が生えているのに子竜たちは飛ばない。
「やっぱり、この子たちは翼に切れ目を入れられて、飛べないようにしてある。ホントにとんでもないわね」
ルルチェが子竜たちを見て、そう言った。
そんなことをするとは、何て酷いことを!
残酷じゃ済まないぞ?
それじゃあ、ここにいる子竜たちは一生飛べないのか?
ヴァイオレット・コーニーめ!!
潰す!潰してやる!!
そしてみそ汁の具にしてやるよ!!
「イーゼル、天井を爆破魔法で壊して!」
ルルチェがイーゼルに向かって言う。
「え?」
「いいから!」
「分かりました」
イーゼルは、呪文を唱えてドーンパレスの天井を爆破した。天井に穴が開く。瓦礫が俺たちに降り注いだ。
「おい、いきなり天井を吹っ飛ばすなよ!」
「ゴメンゴメン、バリヤを張り忘れたわ」
ルルチェが自分の頭を掻いた。
「天井に開いた穴から、子竜たちをドーンパレスの屋上へ出して!」
「いいけど、どうすんだ?」
「きっと間に合う!」
ああ、例の援軍ってやつか。
俺たちは子竜たちを天井から外に出し始める。子竜たちも、翼に切れ目を入れられて、飛べないが、なんとか数メートルは飛べるので、翼を使って天井から屋上へと出ていった。
けっこう時間がかかるが、これだけの子竜たちだ。一匹残らず助けたい。
俺が最後の一匹を外に出すと、皆で屋上へ行こうと走った。しかし、俺たちはいつの間にか、少年兵たちに囲まれていたのに気づいく。
え?
いつの間に?
「ヴァイオレット・コーニーの子飼いの少年兵たちよ」
ルルチェが緊張感あふれる声で言った。
「おいおい、マズいぞ。子供たちに包囲されるとは‥‥‥」
俺は剣を向けてくる子供たちを見て、そう言った。
この子供たちは軍事訓練を受けた戦闘員だ。油断できない。だが、手も出せない。
「イーゼル、ルルチェ、ここは自重してくれ」
うなずくイーゼルとルルチェ。
そこへ、一人の女が現れる。目つきの悪い、目の下にクマが出来てる形相の女だ。
「どうも、冒険者の皆さん。わたしがここの主、ヴァイオレット・コーニーだ」
自己紹介をどうも。現れやがったな、この竜牙密輸の悪党め!
読者の皆様には感謝しかないです!!