第二百六十八章・ドーンパレスへようこそ!
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第二百六十八章・ドーンパレスへようこそ!
ついにたどり着いた、ヴァイオレット・コーニーのアジト。トンネルを抜けてからすぐだった。丘の上に英国式のような宮殿が建っている。コローランの中腹にある場所だ。もう日が暮れるところだ。でも着いてやったぞ!
しかし、あれだけの建物を見れば、かなり儲かってるんだなと思いたくなる。しかも竜牙の密輸でだ。
「まったく、豪華な屋敷だよ」
俺は呆れた。
「あれがヴァイオレット・コーニーのアジトか?」
コマドリが訊く。
「そうよ。連中のアジト。ドーンパレスだわ」
ルルチェが言った。
ふ~ん、ドーンパレスというのか。
名前の付け方にセンスが無いじゃないか!
と、俺はちょっと愚痴ってみた。
きっと傭兵がたくさんいるんだろうな。
「野生の子竜を捕まえて、あそこで繁殖させて、竜牙を量産させている。しかも牙を採ったら子竜は殺す。それの繰り返し。竜にとって牙は歯と同じなのに」
そうルルチェが言った。
説明的でありがとう。
よく分かったでござる。
「で、その子竜はどこにいるんだ?」
俺が訊く。
「たぶん、屋敷の離れでしょう。作業もそこで行っているはず。雇われている人間たちも多いはずよ」
「鬼畜だな。こんなところに就職する人間もいるってことか」
「そうね。でも悪事に手を貸してるのは事実よ」
「生きるためとはいえ、ねぇ」
「それより、子竜を運んでくるのは子供たちよ。忘れてないでしょうね?」
「忘れてなんか無いさ」
俺はキッパリと言ってやった。
「もう夜になるけど、どうするんだ?」
と、コマドリが訊いてきた。
「そうだな、ドーンパレスは静かだな」
「様子を見るのか?」
「早く助けてやらないとな、子竜も子供たちも」
「なら、急ぐか?」
「ああ!行こうぜ」
俺たちはドーンパレスに向かった。
門の前に薙刀を持った女性がいた。用心棒のひとりか?
「気を付けろ。ひとりでもかなり強いかもしれない」
おれたちは、その女性に近づいていった。
なるほど、かなり強そうだ。
薙刀は剣に勝るとは聞くが。
あまり知られていない事情をちゃっかり説明。
「わたしは元忍者の山のスミレ。今はここの用心棒をやっている。皆、出払っているから、今はここには他に伏兵はいない。このわたしと真っ向から勝負だ。来な!」
ご丁寧に挨拶、ありがとうございます。
ん?元忍者の山と言ったか?
誰かさんと同じじゃないのか?
コマドリが俺の前に出た。
「スミレさん‥‥‥?」
やっぱり知り合いかよ、コマドリ!
もう、相手をするのはお前で決まりじゃないか‥‥‥。
頼むぜベイビー!
このボタ餅臭い女をやっつけてくれい!!
読者の皆様には感謝しかないです!!