第二百六十七章・対決はトンネルの中で!
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第二百六十七章・対決はトンネルの中で!
大きなハエは、ハエの王とも呼ばれる上級モンスター、ベルゼブブだった。
「私はベルゼブブです。皆さんここへはどういった用件です?」
モンスターの方から話しかけてきた。
「このベルゼブブは、知性があるのか?」
俺はハエの王を前にして、ルルチェに訊いた。
「そんなの知らないわ!」
ベルゼブブは、さらに言ってくる。
「私は50年間ここで暮らしています。でも、人間の方から私のエサになりに来たのは初めてですよ」
俺たちのことをエサと言っている。食べる気か?
なら、これは宣戦布告と言っているようなものだ。
「戦うぞ!」
俺は身構える。しかし、俺に終始くっついているイーゼルが、戦闘に邪魔だ。
「イーゼル、ちょっとあの化け物を退治したいんだが、どいていてくれないか?」
かぶりを振るイーゼル。
「虫も怖いんです‥‥‥」
このタイミングで、とんだカミングアウトしてくるな。
「いや、その虫を退治しなければならないんだけど‥‥‥」
「絶対に離れないでください!」
困ったやつだ。
「もういい。コマドリとルルチェで何とかしてくれ」
「あなた、無責任ね」
ルルチェがツッコむ。
「分かっているよ。でもそれでもなぁ」
いきなり襲い掛かってくるベルゼブブに、ルルチェは風の魔法で応戦する。その攻撃をかわしながら、近づいてくるベルゼブブ。
こいつはマズいぞ!
「イーゼル、頼む!俺から離れて、光を灯せ!」
「え?」
「光を灯すんだ」
「光を灯す?な、何です?」
「だから、魔法で光を灯すんだよ!」
イーゼルは理解した。
「は、はい!」
イーゼルは杖をかざすと、ベルゼブブに向かって、爆破魔法を唱える。
トンネルの中は炎の塊でいっぱいになった。
すかさず、ルルチェが俺たちの周りに結界というか、バリヤを張った。
ドカーンという音で、ベルゼブブを含むトンネル内は、両端まで爆発が噴き出す。
こういうの、なんかの映画で観たことあるぞ。トンネルが爆発して、閉じ込められる話だ。もっとも、それだけの威力のある爆発じゃない。
火のついたベルゼブブは、火の粉を振り払おうと、トンネルの中を逃げ回る。だんだんと、フラフラ飛ぶベルゼブブは、格好の俺の標的になる。
俺は錬金の剣で、ベルゼブブを真っ二つに両断した。
ボンッと、コインになるベルゼブブ。
「こいつは魔族のベルゼブブじゃないな。モンスターとしてのベルゼブブだ」
本当に本物の魔族のベルゼブブは、おそらくもっと強いだろう。
こいつがそんなんじゃなくて、良かった。
俺たちはコインを拾うと、トンネルの先を急いだ。爆破魔法でトンネル内に火がチラホラ付いていて、明るくなっていた。
本当に光を灯したんだな。まぁ、言い出したのは俺だが。
炎で明かりを灯すとか、映画『ダイ・ハード2』の最後かよ。
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