第二百六十三章・シア・ラース王都のパレード
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第二百六十三章・シア・ラース王都のパレード
この日が来た。シア・ラースでの王族の結婚記念日のパレードだ。王都は賑わいを見せていた。多くの人が集まり、パレードが横切る道を開けて、待っていた。
ケネディ大統領暗殺のようにさせておくわけには、いかない。
俺たちはパレードのそばで、何かが起きるのではと、警戒していた。もちろん、軍の詰め所に、朝早くから行って、警備に当たる騎士たちに、テロの可能性を告げてはいたが、それだけで守れるかは分からない。
パレードが始まると、さらに緊張が増す。
俺たちは守りを固めるように、パレードについていく。どこから来る?ヴァイオレット・コーニーのテロたちは?
その時、城の方で爆発が起きた。立て続けに爆発が起こる。一つ一つの爆発は小規模なものだったが、それが連発している。
まさか、パレードは陽動?
連中が狙ってきたのは、パレードで警備が手薄になっていた城の方だったのか!
してやられたぜ、チクショウ!
まんまと騙されたワケだ。あの使者め!
傭兵たちが、一斉に城へ突撃するのが見えた。あんなに敵がいるのか。笑い事では済まされないぜ。城にはアイラとマヤがいる。
あの二人はパレードには見当たらないからだ。
きっとまだ、城に残っているはずだ。
こいつはマズい!
俺たちは城に走った。
城の跳ね橋は下りたままだ。簡単に城内に入れる。
俺たちは傭兵軍団のあとに続いて、城の中に入った。
軍の連中は傭兵たちと交戦したが、如何せん兵力が足りない。そこは俺たちの出番だ。
「敵がたくさんいても、一騎当千なのが俺だ!」
意味もなく叫ぶ俺。
そしてさらに、後ろから傭兵の大群に突っ込む俺だった。
たちまち、傭兵たちが弾き飛ばされる。
俺の体当たりを背中で受けるとは、傭兵たちも運が悪い。俺のチートを食らえ!
それにしても、爆発を起こした奴は誰なんだ?内部で手引きした奴がいるはずだ。
俺は傭兵どもの壁をどけると、軍隊をも退けて、城の内部まで突っ切った。
そこにいたのはリューアだった。城にも内通していたのだ。
「このアマ!」
「わたくしはシア・ラース城にも顔の効く者なのです。あなたたちが、こんなにあっさり、わたくしの言うことに引っかかってくれるなんて、思いもよりませんでした。ここは笑うところですかね?」
真顔で皮肉を言うとは‥‥‥、こいつ。
「ヴァイオレット・コーニー様は、軍事力も強大です。調べが足りなかったようですね」
「なるほどな。本当にここは笑うところだぜ!」
俺は錬金の剣を抜いた。
こんなことに加担するとは、こいつも許せない。
使者と言っていたのは、ホントに笑わせるぜ、まったく!
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