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第二百六十二章・ヴァイオレット・コーニーからの使者。

読者の皆様には感謝しかないです!!

第二百六十二章・ヴァイオレット・コーニーからの使者。



 俺たちが、苦労して旅しているこんな時にだが、王都では明日、王様とお妃様の結婚記念日のパレードが行われることを、告知で知った俺たち。

「こんな時だっていうのに‥‥‥」

 俺は少し、イラ立った。


 ルルチェの部屋に集まった俺たちの元に、誰かがノックしてきた。

 ドアを開けると、そこには宿の女将さんが立っている。

「はい?」

 ルルチェは返事した。

「冒険者の皆さんがこの部屋に集まってると聞いて‥‥‥」

「ええ。わたしたちですけど、何か?」

「ヴァイオレット・コーニーとかいう方の使いの者が、来られてるんですけど」

「え?」

 ルルチェは驚いた。

「分かりました。朝食はもう済ませましたので、通してください」

 ルルチェは使者を部屋へ招き入れた。


「敵の使者がどうして俺たちを嗅ぎつけたんだ?」

 俺は使者に尋ねる。

 相手は変なとんがり帽子にワンピースの格好をした、少女だった。

「わたくしはヴァイオレット様の使いのリューアと申します。以後、お見知りおきを」

 お見知りおきをって言われてもなぁ。

「お互いの所在を知っておきたかったもので、ここにいらっしゃることは伝えておきます」

 リューアは真顔で言った。

「おいおい、いきなりここに奇襲はやめてくれよ?」

 俺はリューアに言う。

「冒険者など、時代の仇花。潔く散った方が良いのではありませんか?」

「それを伝えに来たのか、お嬢さん?」

「いえ。そうではありません」

「おたくの港は俺たちが潰させてもらった。これでかなり、おたくのお仲間が減ったんじゃないのか?何なら早めに派遣会社にでも連絡して、傭兵を新たに補充した方がいいと思うが、どうだ?」

「御心配には及びません」

「たぶん、竜牙を大量に失って、大損こいただろう?何ならもっと大損させてやるように、やってやろうじゃないか。おたくのビジネスは邪魔させてもらうが、悪いな」

 リューアはフッと笑った。

「ヴァイオレット・コーニー様からです。竜牙と金塊をどちらも失わせてくれて、どうも。礼を尽くして、明日の王都でのパレードを潰させてもらう、です」


 パレードを狙う気か?


「そりゃどうも!こちらとしても、そう言って宣戦布告されるのは悪くない」

「そう思いなのですか?」

「ああ!敵にそこまで言われりゃ、こちらとしても、措置はやり易いからな」

「ヴァイオレット様をあまりナメない方がよろしいですよ?」

「あんたも、親を殺すと脅されている子供のひとりか?」

 俺は真面目にリューアに訊いた。

「いいえ、わたくしはヴァイオレット様の元で生まれ育った部下のひとりです」

「そうか。じゃあ、戦場には来るなよ?出来れば巻き添えを食らわせてやりたくはないんだ」

「わたくしは戦闘要員ではありませんので、お気遣いなく」

「そうか」

「では、わたくしはこの辺で」

 そう言うと、リューアは去った。


「聞いたか?敵さん、明日の王様たちの結婚記念日のパレードを邪魔する気だってよ」

 コマドリが、腕を組んで椅子に座ったまま、姿勢を正して、こう言った。

「うむ、シア・ラースは気に食わないが、この国の大事に関わるからには、パレードの邪魔はさせては置けないな」

 イーゼルも、「わたしもコマドリに同意です」と、言った。

「ルルチェは?」

 俺が訊く。

「それは確かに阻止だけど、なぜそのようなことを、使いの者が情報をわたしたちに流すの?」


 それは確かに妙だ。


 俺は少し、考えてみた。テロを起こすのにわざわざ、そのことを俺たちに告げるのは変だ。どういうつもりなんだ?



読んでくれる人たちに幸あれ!!

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