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第二十五章・雨が降る。と、サブタイトルでフラグ。

アクセス数をたくさん頂いて、感謝でいっぱいです!!今後ともよろしくお願いいたします。

第二十五章・雨が降る。と、サブタイトルでフラグ。



 俺たちと地吹雪のリンは城をあとにした。その途端、氷の城は全体にヒビが入り、大きな音が聞こえたかと思うと、バキバキと崩れ落ちた。

 大スペクタルだ。

「もうこの城は、わたくしには必要ありませんわ」と、リンが言った。


 引きこもってから50年、彼女の引きこもり人生が終止符を打ったのだ。

 ルルチェが、「なぜ、引きこもることなんか選ぶんだろ?わたしには分からないわ」と、言う。

 

 そりゃ、お前は前向きというか、英語で言うポジティブシンキングだからだろうと、思う俺だった。他人には分かるまい。

「でも、不思議ですね。リューイチが元引きこもりだったとは‥‥‥」

 イーゼルが意外な顔をして言った。

「うるせーよ。俺は自分でも納得いかない人生を送っちまったんだ。そりゃ卑屈になるもんだ。でもそれがいいとかは全然思わなかったけどな」

「そりゃそうだろ」と、コマドリ。

「わたしだって、忍者の山ではレベルが低くて『くのゼロ』とか言われてバカにされていた自分がいたんだ。だから山を下りたのだ。自分を変えるためにな」


 ああ、コマドリはそうだよな。職業くのゼロって、あだ名が職業名になるほど身に染みてるってことだな。でもこいつは自分で見せないだけで、けっこう傷ついてるのだろう。

でも、コマドリはめげない精神力を持っているというには、俺はこいつのことをどれだけ知っていようか?


じゃあ、俺とリンは途中まで一緒に東の方に行ったが、そこで別れることにした。

「それでは、わたくしはここで失礼いたします。わたくしは自分の道を自分で探してそれで生きていきますので」

「ああ、そうだねリン」

「新しい魔王様を見つけたら、わたくしたちはまた敵同士になりますね」

 クスリと笑うリン。俺たちは笑えない‥‥‥。

「さっき思ったのですが、今のあなたたちでは、わたくしには勝てなかったでしょう。わたくしにはコールドブレスであなた方を全員凍らせることが出来ましたから。もっとレベルを上げてからまた会いましょう。そしたらまた、今度は戦いましょう、ね!」


 う‥‥‥、ゾッとする。こいつチートの俺でも防凍着を装備していても、凍らせることが出来る。つまり、強敵だったのだ。だから俺は言葉巧みに会話だけで落としたかったんだ。

 厄介な相手だったのは分かっていた。魔王の幹部クラスは俺のようなチートスキルだけでは勝てないのだ。それはドラゴンのヴァーラントの時に思い知ったことだ。仲間の助けと俺の戦術が必要になる。ゲームでもそうだった。だからパーティー組んだんじゃないか。


「あ、天気が悪いですね。雨が降るかも」と、リン。

「氷の大地に雨が降るのか?」

「ええ。でも普通の雨とは違い、つらら状の氷が降ってくるのです。ヒョウとは違います。ここではそれを雨というのです」

 つらら状の雨?

 嫌な予感しかしない。

「つららってのは、あの先っぽが尖っているやつ?」

「ええ」


ヤバいじゃんか!!!!


「まぁ、わたくしは大丈夫ですが、人間は早くここを離れた方がよろしいかと。何せ、刺さりますから」


笑顔で言うな!怖い怖い!!


「ここに来た冒険者たちの幾人かは、その雨で犠牲になっていますね。ウフフ」

 笑い事じゃねーよ!

 俺たち一行を乗せたソリを全力で走らせる。

「じゃあ、またな!地吹雪のリンさん!」

「はい!」


 俺たちは急速全身で、ソリを走らせた。

途端につららの雨が降り出し、最初は小さな粒状の小雨程度の氷が降ったのだが、そのあとは急に氷の大地に突き刺さるように、つららが降ってきた。


ヤバい!ヤバイヤバイ!!!!


死ぬ!全滅する。元魔王の幹部じゃなく、雨でやられる!


急速脱出!ってのはこういうことか。ソリに乗った俺たちは、ギリギリでつららの雨から難を逃れた。

 マジでヤバかった…‥‥。



この小説は、読者の皆様に送る手紙のように思っています。どうか次も読んでくださることを願っています!!読者様に幸あれ!!

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