第二百五十五章・占い師ミカエルの予言
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第二百五十五章・占い師ミカエルの予言
俺たちが旅の食料を、王都で購入しながら街を歩いている時、イーゼルが街角にポツンと座って、テーブルを台に水晶玉を手で撫でている女性を見つけた。
「もし、そこの魔女さん」
呼び止められるイーゼル。
「わたしですか?」
「そうですよ」
「わたしに何か?」
「わたくし、占い師のミカエルと申し上げます。あなたを少し占わせてもらえるかしら?」
ミカエルは、笑顔でイーゼルを見た。
その表情は少し不思議な感じがした。
「いいぞ、イーゼル。あとは俺たちで買い物を続けるから」
俺は占い師の前で足を止めていたイーゼルに言った。
「いくらですか?」
イーゼルは台の前にある椅子に座った。
「2000リールであなたの将来を見てあげます」
「はぁ‥‥‥」
イーゼルはポケットからコインの入った財布袋を出して、2000リールを払った。
「ありがとうございます。では見ていきますね。何が訊きたいですか?」
「えっ、と‥‥‥。恋占いで」
「はいはい、恋の悩みですね?」
「悩みというか、わたしの将来にも関わってくるので」
「そうですね~。女性にとっては恋も人生の内でしょうからね」
イーゼルは恥ずかしそうに、顔を赤らめる。
「気にしないでよろしいんですのよ?恋の占いなど、女性からは多く訊かれるものなので」
「そ、そうですか?」
「はい!」
そう言うと、ミカエルは水晶玉を手で触りながら、その目でジッと浮かんでくる不思議な色を捉えた。
「な、何か見えますか?」
ミカエルは黙っている。二分くらい経ったあと、手を水晶玉から離したミカエルは、イーゼルの方を向いた。
「見えました。漠然としてますが、これがあなたと想い人との未来です」
「はい」
「それは‥‥‥、悪くは無いのですが、気になる点があります。お互いに戦う術を持っている者同士ですね?」
「え?は、はい」
「魔女と冒険者。この二人はいずれ、戦い合う宿命です。どうしてかは分からないのですが‥‥‥」
「わ、わたしとリューイチが?」
「リューイチという人なんですか?そうですね、その方と、いずれは戦い合う日が来るみたいです」
「そ、そんな‥‥‥。どうしてわたしとリューイチが?」
「未来の話です」
イーゼルは黙り込んだ。
「魔女さん。戦う事が、結果ではありませんよ。その先には、まだ未来があります。それは希望の未来」
「希望の未来?」
「そうです。だから、そんなに気落ちしないでください。戦うか、戦わないかは、あなた次第なのですから。避けることも出来るんですよ?運命は自分次第なのです」
「はい‥‥‥」
「占いは以上です」
イーゼルは、その場を去ると、街中へ戻っていった。
いよいよ新章に入ります。続きも乞うご期待ください!!