表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
252/479

第二百五十一章・シア・ラース王都の連続殺人鬼!

更新が遅れてすみません。ではどうぞ!

第二百五十一章・シア・ラース王都の連続殺人鬼!



 翌日、俺たちはエルザのところを訪れた。まだ宿の部屋にいたのだ。

「主人が申し訳ない態度を取ってしまって、本当にごめんなさいね」

 エルザは赤ちゃんを抱いたまま、ベッドの上にいて、俺たちを迎え入れてくれた。

「見るところによりますと、あなた方はこの国の人ではないようですね?」

 ほう。見る人が見れば、分かるらしい。


「わたしたちは冒険者です。ダ・ガールから来ました」

 ルルチェが率先して言う。

「まぁ、ダ・ガールから?それはそれは!でも、冒険者?今どきかしら?」

「ええ。今どき時代遅れの冒険者です」

「珍しいですね。どうしてこの国に?」

「この国からの依頼があって来たんですよ」

「まぁまぁ、それじゃ本当に申し訳ないですね。わたしが急に産気づいたのに助けてもらって‥‥‥」

「全然気にしなくていいんですよ。当然のことをしたまでのことですから」

「本当にありがとう!」

「そんな‥‥‥」

 ルルチェは遠慮がちに言った。


 大した事したと思うけどな、俺の意見的には。


「このシア・ラースの王族の方から依頼が来たんですか?」

 エルザはルルチェに訊いた。

「はい。この国で、ある問題を解決して欲しいという依頼です」

「なら、最近この街で、よく夜に出没するという、ラック・ザ・カッターのことかしら?」

「ラック・ザ・カッター?」

 ルルチェは首をひねった。

「あら、違ったかしら?この王都で、若い女性ばかりを狙った連続殺人鬼のことですよ。娼婦などが一般に狙われているらしいです」


 なんか、昔ロンドンに現れた、殺人鬼ジャック・ザ・リッパー、つまり切り裂きジャックのようなものか?と、俺は思った。


「そんなのがいるんですか?治安が悪いですね」

 ルルチェも表情を変える。ゾッとしたようだった。

「ええ。でも、若い女性がちょっとセクシャルに着飾ったり、夜一人で出歩くのが悪いんでしょうけどね」 


 襲われる女の方が悪いって発想か‥‥‥。

 つまり自己責任論かよ。

 やっぱ、この国の発想は、どこかズレてるな。


「そういうのがいるのなら、わたしたちでやっつけますよ!」

 と、ルルチェは自信ありげに言った。


 おい!まさか、そのラック・ザ・カッターとかいうのと戦う気かよ。

 ま、それはそれでいいんだけど。俺には関係ないし。

 しかし、いつでもどこでも、そういうのっているんだな。

 この調子だと、俺も捕まえるのに協力しろとか言い出しそうだな。


「そろそろ行こうぜ」

 俺はルルチェに言った。


 俺たちは宿代を代わりに払ってやると、その足で宿を去った。

「さて、これからどうする?」

「当然、ラック・ザ・カッターを捕まえるのよ」

 と、ルルチェが言う。


 言い出しやがった!


「切り裂きラックを捕まえるってのか?」

「〝切り裂き″って何よ?だって、ほっとけないでしょ?」

「そいつは神出鬼没だろ?だから捕まえられないんだ。そうだろ?」

「でも、ほっといたらもっと若い女性が殺されるのよ?」

「それはそうだが‥‥‥」

「捕まえましょ!」

「でも、俺たちがゾロゾロと歩き回っても、相手は出てこないと思うぞ?」

「そうね。若い女性が一人で歩くのに遭遇すれば、出てくるのかもね」

「誰がそんな役やるってんだ?」

「わたしが‥‥‥」


 やっぱ、そう言うのか。


「却下だ!王族の気品をプンプンさせているお前が狙われるわけがないだろ」

「えっ、じゃあ、どうするの?」

「イーゼルは幼過ぎるしな」

 イーゼルが顔を赤くして、俺に詰め寄ってきた。

「幼過ぎるってどういう意味ですか?意味次第では、ルルチェに頼んでギロチン刑にしてもらいますよ」

「あ、いや、言葉のあやだよ。逆にお前だと、狙われないと思っただけだ」

「わたしも年頃の女なんですよ?」


 こいつ、酒も飲めない年齢のくせに‥‥‥。


「なら、わたしはどうだ?」

 コマドリが前に出てきた。

「うん。いいかもな。でもその衣装はダメだ。道着に袴じゃなくて、もっとセクシャルな服を着ろ!」

「な、何だ?そのセクシャルな服って?」

 コマドリは急に慌てた。

「もちろん、娼婦に化けるんだよ」

「わたしがそんな格好をするとでも思うのか?」

「じゃないと、殺人鬼は出てこないぞ?」

「クッ‥‥‥、分かった。変装ぐらいしてやるよ!」

 俺はルルチェの方を向いた。

「化粧はルルチェに任せた」

「いいわよ!色気のある顔にしてあげる!」


「ちょ、ちょ、ちょっと待て!化粧もするのか?」

「こういうのは徹底しないとな」

 俺は娼婦に化けるコマドリの姿を期待した。


 これも作戦の内だよ?

 マジで。


用事が済んだので、ようやく更新できました。読者の皆様には感謝です!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ