第二百四十九章・シア・ラース王都の社会ってやつは‥‥‥。
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第二百四十九章・シア・ラース王都の社会ってやつは‥‥‥。
俺たちは王への謁見を済ませると、王都を散策した。どこにでもあるような街であったが、売るのは男で消費するのは女って感じはした。
「ルルチェたち、さっきは済まなかったな」
俺は、さも当然のように謝った。
「別にいいのよ?ここではわたしたちはリューイチの下で一緒に旅する従者。それでいいのよ」
「そ、そうなのか?」
「ええ。じゃないと、わたしたち皆、ここでは上手くやっていけないわ」
ルルチェはそう言って、俺をフォローした。
「だから、リューイチもヘタレ顔はやめなさいよ?」
またヘタレかよ?
「そんなに俺って、ヘタレに見えるのか?」
三人は同時にうなずいた。
もう、ほっとけ!
「それでも、この街は男女の差ってのが、露骨に出ているよな」
俺は歩いていると、男性の後ろを歩く女性の姿が目に入った。
男が話して、女は黙っているし。
こんなにあからさまな男尊女卑は、俺にはキツい。
「ここでは生まれた時から、こういう教育が行われているんだな」
ルルチェが俺の後ろに立ち、俺の一言に答える。
「そうよ。シア・ラースとはこういう国だから」
「ホントに中世のようだ」
「中世?」
「あ、いや、今は現代ってことだろうけどな」
「ま、確かに魔王がいた頃の名残りがあるだろうけどね」
「その時代は、お前は生まれてないだろ?」
「まぁね」
さらに進むと、お腹の大きな女性を見つけた。妊婦だろう。
その女性は、フラフラと歩いていた。
「あの人、破水してない?」
ルルチェが言った。
「え?マジでか?」
ルルチェは女性のそばに寄っていく。
「大丈夫?」
女性はうなずいた。まだ若い人だ。
「産気づいてる。リューイチ、宿までこの人を運んで!」
「え、俺が?」
「リューイチなら、この人を運ぶのくらい楽なモンでしょ?」
「分かったよ」
俺は女性をお姫様抱っこをして、近くの宿に運んだ。
宿の手続きは、イーゼルたちに任せた。
女性を部屋の中に運んだ俺だったが、ベッドに寝かせた後、俺はルルチェたちに部屋を追い出された。
「おい!」
「男は出ていって!」
ルルチェはイーゼルとコマドリを部屋の中に入れると、俺だけを部屋の外に待たせた。
俺、というより、男はこういう時、無力のような気になる。いや、実際に無力だ。
そのあと、俺はお湯とたくさんの布切れを用意するように指示されたので、適当に宿の中で用意できるものは用意した。あと、足りない物は街で購入してくる。
それを部屋に届けると、また部屋の外に追い出される俺。
うん、あとは祈るだけだな。
てか、ルルチェたちはこういう処置の経験はあるのか?
疑問に思ったが、俺がいても、何も出来やしないから、任せることにした。
あとは信じるしかない。待つだけだ。
ホントに俺は無力だ。
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