第二百四十六章・女犯三羽烏とは?
更新が遅くなって申し訳ありません。それでも読んでくれる皆様には感謝しかありません。
第二百四十六章・女犯三羽烏とは?
ファッションショーから数日後、ルルチェに来たのは、新しい任務だった。
「お父様、この女犯三羽烏とは何ですか?」
ルルチェの父である王様は、とある組織を撲滅させるという任務を紹介した。
「別に引き受けるかどうかは、皆で話し合えばいい。だが、その三人の女は犯罪組織のリーダーや、裏組織、暗躍を求める、悪魔に魂を売ったような連中なのだ」
「子竜の竜牙の裏取引を生業とするヴァイオレット・コーニー。ア・レーア王朝とクラ・ナーア王朝を併合しようとする州知事アンジェリカ・プラット。ジ・フォード王朝お抱えの武器密輸組織のボス、カピーナ・テュルユーク」
「そうだ。その三人の女を総じて女犯三羽烏と言う」
「この者たちを相手に戦うという依頼ですね?」
「お前たちが乗り気であるならな」
王としても、複雑な心境だっただろう。こんな任務を自分の娘や、その仲間に頼むということを考えると。
その話を聞いた俺たちは、乗り掛かった舟と言わんばかりに、二つ返事でOKした。
とにかく、この何か月もダ・ガールで過ごすのはもう、飽きていて、俺たちは冒険を求めていたのだ。
冒険の時代が終わったと言っても、冒険者が冒険しなくて、どうして冒険者と言えよう。
「行くべきだ!」
俺はそう言って、その場の空気を仕切った。
「三羽烏と呼ばれる者たちを潰しに行く冒険か」
コマドリも、頭を縦に振る。
「よし、やろう!まずはその、子竜の竜牙の裏取引で大金を稼いでいるという、ヴァイオレット・コーニーからだな」
「そうだな。まずはそこからだ!」
俺のいた前世でも、外国では、象を殺してその象牙を密輸する犯罪組織がいたのだ。それの子竜版か。子竜というと、人間には扱いやすいサイズの竜だ。その竜の牙を裏取引するなんてのは、当然許せない。まずはその組織を潰させてもらおう。
「で、そのヴァイオレット・コーニーって女はどこにいるんだ?」
俺は率直に訊いた。
「シア・ラースよ」
「へー。シア・ラース王朝か」
ん、待てよ?
シア・ラースって、前にリストレア姫とかいう王朝の人が来て、男尊女卑的なことを、さも当然のように唱えに来た、あの国か?
「なんであの国で、女性が先立って犯罪に手を汚してるんだ?」
俺は疑問を口にした。
「もちろん、国の政策に反対して、女性が立ち上がる運動も起きているからね。その一人よ!」
よし、納得。
「じゃあ、シア・ラースへ、まず行くか。いつにする?」
「解決するのは早い方がいいわ」
ルルチェが言う。
「そう思わない?」
「そうだな。イーゼルやコマドリもいいか?」
「うむ、それでいいだろう。さっそく、明日中には出発だ」
「わたしも同意です。すぐにでも行きましょう」
コマドリとイーゼルも、賛成した。
やはりこの数か月、何にも冒険や旅が無かったことに、不満を溜めていたのが効いたのか、早く旅に出たいという気持ちがあらわになったように思える。
「よし、明日の朝には出られるよう、出発の準備しておこうぜ」
俺は皆に言う。
「うん、決まりだな!」
コマドリはガッツポーズを見せた。
こいつ、ファッションショーでの恥を挽回するために、すぐにでもダ・ガールを離れたがってるんだな。
まぁ、いいや。
とりあえず、俺たちはシア・ラースへ行く準備をしに、それぞれ部屋に戻った。
出発は明日だ!
今日はもう一回くらい更新出来ると思います。夕方~夜の間に更新予定です。あ、あともう一つお知らせが。タイトルですが、「異世界転生したけど、魔王がいないから冒険やめた」から「異世界転生したけど、魔王がいないから冒険やめた+」に変えました。略称は「やめプラ」です。よろしくお願いします!!