第二百四十三章・アリサとコマドリのモデルデビュー?
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第二百四十三章・アリサとコマドリのモデルデビュー?
一か月後、ダ・ガールでは、衣替えの時期になっていた。俺たちは、まだ来ない冒険の依頼を待ちながら、時間を気持ちをくすぶらせていた。
突然、コマドリが俺の部屋にやって来た。
ドアが、バンと開けられる。
おいおい、プライベートをもっと尊重しろ!
俺がナニかしてたらどうするんだよ?
そんな俺の、めんどくさくて複雑な男心を無視するかのように、コマドリは俺に助けを求めてくる。
「どうした、コマドリ?」
慌てるコマドリは、俺にしがみついた。
コマドリ、やめろ!!む、胸の感触が‥‥‥。
「助けてくれ!ルルチェの奴が‥‥‥」
「ルルチェ?」
その時、ルルチェも部屋に入ってくる。
コマドリに抱きつかれているところに、なぜ入ってくる?
「コマドリ、わたしはホントにやらないからな!」
「どうして?もったいない」
「もったいなくてけっこう!」
話が見えない。
「何をそんなに言い合っているんだ?」
俺は二人に訊く。
「ルルチェは、わたしに服のモデルになれって言ってきてるんだ」
「服のモデル?」
俺はコマドリをどかして、話を聞くことにした。
「城下で新しい服のファッションショーがあるのよ。それに出て欲しいだけなの」
と、ルルチェ。
「ファッションショーだと?」
「ええ。コマドリにそれに出て欲しいのよ。それを頼みに来たの」
「どうしてコマドリが?」
「ほら、前にミスコンで選ばれたじゃない」
「ああ、そういえば」
俺はダ・ガールのミスコンを思い出していた。
「確か、コマドリは辞退して、代わりにアリサだっけ?その子が優勝したんじゃなかったっけ?」
「そうだけど、アリサもファッションショーに出るの。それでダ・ガールでは、辞退したコマドリにも出て欲しいっていうのよ」
「なるほど、だからコマドリに‥‥‥」
だが、コマドリは遠慮しているのだな。ミスコンの反応で、それはもう分かってるんじゃないか?
「無理に出させるのはどうかと思うぞ?」
「でも、ダ・ガールの皆は期待してるの。だからこそ出て欲しいのよ」
俺はミスコンで、コマドリを応援してしまったからな。責任が無いとは言わないが。
「コマドリ、出てみたらどうだ?」
コマドリはかぶりを振った。
「絶対に嫌だ!恥ずかしい」
おいおい。
「そんなファッションショーごときでうろたえるほど、ヤワな精神の持ち主じゃないだろ?」
「そんなん、関係あるか?」
「あるよ。お前はダ・ガールも認めるミスコンのクイーンだ。ファッションショーくらいで心が揺らいでどうすんだよ」
「ぐっ、そ、それは‥‥‥」
「俺もお前を認めるよ。出てみろ。ファッションショーに!」
実は俺も、コマドリのファッションショーへの出演っていうのは見てみたかった。
コマドリならイケるだろう。
「それに、花売りのアリサも出るんだろ?」
「リンゴ売りのアリサね?」
と、ツッコむルルチェ。
「リンゴだったか?」
「ええ。それで、アリサもコマドリと一緒に出たいんだって」
「なら、一人じゃないんじゃんか。なおさら出てみろよ!」
俺は強く言った。
「リューイチの裏切り者!」
コマドリは大げさに叫んだ。
残念だが、男の俺としては、コマドリのファッションショーには期待が高まるってなモンだ。それが男である由縁だしな!
俺はコマドリを裏切ることにした。
だって見てみたいじゃん!
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