第二百四十章・リュクタアール・エズモンドの復讐
更新が遅れてすみません。初詣に行ってきました。
第二百四十章・リュクタアール・エズモンドの復讐
ダ・ガールに戻った後、数か月は冒険の依頼が無かった。
暇だ‥‥‥。
いつもコマドリと剣術の稽古をしながら過ごしている。
たまに、イーゼルをからかいに、図書館へと行ったりもした。
それでも、時間のほとんどは潰せていない。
これでは引きこもりと変わらんじゃないか!
俺は夜になると、衛兵たちと城の外壁の上で、軽めの酒を飲んで、話をした。
「戦いが起こると、冒険者様の実力が発揮されますのになぁ」
俺はただのチートなので、しかもタダでもらった力なので、あまりおおっぴろげに自分の実力を語ることはしなかった。
「全然そんなことないですよ。俺は時代遅れの一介の冒険者に過ぎません」
「またまた、謙遜を!」
いつの間にか、ダ・ガール軍の中でも俺は、一目置かれる存在になっているらしい。
「まいったな‥‥‥」
鳩が一羽、飛んで来たのを見つける俺。
衛兵のそばに来て、とまる鳩。足に結び付いている、丸められた電文の紙を取る衛兵。
「何かの知らせですね。斥候からです」
衛兵は、電文を読む。
「な、何と!あのヴァンパイアキラーの女が、たくさんのライカンを連れて、この城にやって来ているということです!」
「ヴァンパイアキラー?ああ、そんな連中もいたな」
「あの、ヴァンパイアキラーですよ?」
「ええ」
ライカンとは一種の狼男だ。要するに獣人のようなモンスターだ。
それが大群で攻めてくるということか。
「至急、イーゼルとコマドリとルルチェを呼んできてください。あ、あとベアトリアースやリエットも」
俺はそう言うと、錬金の剣を持ってきて、城の外へ出た。
ヴァンパイアキラーっていうと、あのリュクタアール・エズモンドとかいう女だな?確か、やっつけ損なっていたな。コウモリになって逃げたんだっけ。
今度はライカンたちを連れて来たのか。
戦える仲間は多い方がいい。今回は完全に殲滅させてやる!
* * *
俺のパーティーとベアトリアース、それにリエットの六人で、ダ・ガールの城下の外に出て、戦闘準備をする。
「リューイチ、今度はお前が、リュクタアール・エズモンドと一騎打ちで戦いなさい。ライカンはわたくしたちで殲滅させてみせますから」
めんどくさそうな顔で、ベアトリアースは俺に言ってきた。
「分かったよ。他は頼むぞ?」
「よろしいです。今度は逃がさないように確実に倒すのですよ?」
「俺が前回、見逃してやったような言い方を‥‥‥」
「倒し損なったって言いたいのでしょう?」
「そうだよ。あいつがコウモリになって逃げたから、倒し損なったんだ。逃げなければ百パー倒せていたよ!」
俺も前回は甘かったかもしれない。逃げたからもう来ないだろうと、タカをくくっていたのは事実だ。
相手も捨てゼリフで、また来ると言っていたし、俺はそれを本気に思わなかったのだ。
「ライカンの数は知らんからな。そっちも殲滅し損なうなよ?」
「バカにしないでくださいよ。魔族にかかれば、ライカンなど、ヴァンパイアキラーどもよりも簡単に倒せますよ。お前の心配は無用です」
そりゃ頑張ってくれよ?
ここ数か月間も冒険が無かったから、俺は戦いや冒険に飢えていて、敵をブッ倒したくて、ウズウズしてるんだよ。
そうこうしているうちに、大群のライカンどもが、走ってくるのが見えた。
数はそう、1000匹ってところか。
正月も更新しますよ!!