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第二十三章・ドラゴンとどっちが強いのかな?とか思ったりして(笑)

アクセス数が増えていて、読者の皆様に感謝します!!

第二十三章・ドラゴンとどっちが強いのかな?とか思ったりして(笑)



 氷の大地に入る直前、氷でできたトナカイが引くソリをレンタルしてくれるところに出くわした。

何でも、魔法で作ったトナカイの氷の彫像が四匹、ソリを引っ張ってくれるのだそうだ。


それにしても、これはサンタさんが乗るソリに酷使しているな、とツッコみたくなる俺だった。


 俺たちはそれを2000リールで買い取った。けっこうコイン使っちゃったな。まぁ、必要経費だと思って使うことにした。散財とは違う。でもコインはもう残り少ない。

 俺はチートなのだから、ソリの扱いにも長けているだろう。俺は手綱を取り、他の三人を乗せた。


出発!!


 ソリは氷に覆われた土地に入った。本当に氷の平原に氷の連峰、空に浮かぶ雲さえ凍っていて、いつか落ちてくるんじゃないかって感じだった。

防凍着に身を包んでいるので体がポカポカしていたが、これを脱いだらおそらく、一瞬にしてカチコチに凍るのだろう。


 ソリで進むこと一日、凍ったゴーストタウンを通った。人は住んでないだろう。てか、人は住めないと思う。魔族の町みたいな感じだな。

 

本当に孤独に生きているのだな、地吹雪のリンという女は。こんな寂しいところで。

 俺はアイスクリスタルとかいう宝石なのか何なのか知らんが、それを彼女から強引に奪う気はない。いきなり押しかけて、戦いを仕掛けて奪うなんて、そんなのは冒険じゃない。

 交渉して手に入れられればそれに越したことはない。俺は悪人ではないのだ。盗賊でもない。

 

 かつて俺は、二度だけだが、金を不良たちから巻き上げられたことがある。いわゆるカツアゲと言うやつだ。一度目はポケットの小銭だけで済んだが、二度目は諭吉一枚取られた。でも、渡さないと自分の身に危険が及ぶ。仕方なかったが、俺は屈辱的にも金を奪われたのだ。

その経験から、どうしても相手から奪う行為には賛同しかねるきらいがあった。


 やがて、氷の城が見えてきた。

 あれか。まるでアメリカのアニメ映画に出てくるきれいな氷の城のようだった。

 それにしても、この土地には何もない。だから、よけいな障害物もなしに、すんなり氷の平原を一直線にまっすぐ行けたのだ。さらにこの氷のトナカイのソリの速さだ。時速50キロは出てただろう。やけに城までたどり着くのが早いと思った。


 俺たちはソリを城の前で停止させ、ソリを降りた。

「さて、いきなり戦いになるなんてことは無いようにな」

 俺は三人に釘を刺す。

「何でだ?モンスター相手には容赦なく潰しにかかるのに」

 コマドリがもっともなことを言った。

「モンスターよりも知性のある相手は殺しにかかるなかれだ。そうだろ?」

「でも、魔族だぞ?」

「ああ。だからさ」

「変な奴だな、リューイチは。海に行けば、知性のあるモンスター、特に人魚や半魚人なんかがいるのだぞ?そういうやつらは知性はあっても冒険者たちには敵だ。そうだろ?」

 クジラやイルカのような海生哺乳類みたいなもんか‥‥‥。

「でも、戦うにしても正々堂々が理想だな」

 俺はそれをキッパリ言った。

「でもな、いざとなったら逃げるのも手だぞ。いいか、無理はするなよ?ヤバいと思ったら退け!俺もそうするから。それに相手を絶対とは言わないが、殺してしまうな。これだけは守れ」

「リューイチ、あなた、やけに殺生にこだわるのね」と、ルルチェ。


「本当にヘタレなのですね、リューイチ。大丈夫ですよ。みんなで一緒に戦いましょう!」と、イーゼルが言った。


まぁいい。知らん!なるようになれ!!それだけだ。


 城の扉をゆっくりと開ける俺たち。扉も氷でできていて、かなり大きくて、すごく重かったが、なんとか開けられた。

城の中は天井まで一気に吹き抜けになっており、城の外観そのままのような造りになっていた。要するにこの城はすべて、氷でできていたのだ。

 

 そこに一人、ぽつんと立っている女がいることに気付く。

あれが地吹雪のリンという元幹部だった女か。キレイな大人の女の人という感じだった。でも全身が氷で出来ているようだった。キレイなクリスタル状の体を持っている。その体すら氷で出来てるんだろうなぁ。


「あ、あの、地吹雪のリンさんですか?」

 俺が代表で話す。他の三人には俺の後ろで待機するよう言っていた。

「誰?」と、リン。

 声が城の吹き抜けに共鳴する。

「わたくしは今は引きこもりのリン。あなたたちは冒険者の方々ですか?」

「ええ、まあ」


 わざわざ引きこもりと自分で仰るのが悲しいところだった。


「いきなり戦闘を行うということはしないつもりです、リンさん」

「それはどうも。わたくし、魔王様がいなくなってから50年、ここで引きこもってました。もう何もやる気が起きないのです。戦いも何もしたいとは思いません。ですので、このままお引き取りください。でないと、その防凍着をコールドブレスで凍らせて、役に立たないようにしてしまいますよ」

 それが戦闘ってことじゃないのか?と、ツッコみたくなる。

 なるほど、防凍着を着た人たちが戻ってこれなかった理由は、彼女のコールドブレスを浴びたせいか。てか、防凍着でも、コールドブレスを食らえば役に立たなくなるということなんだな。


この人とドラゴンのヴァーラントはどっちが強いのかな?と、俺は思ってしまった。



コツコツ地道に頑張れば、それでいいと思う、今日この頃です。読んでくださってありがとうございます!!

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