第二百三十七章・結婚指輪の交換
正月も更新しますよ!!読んでくれるそこのあなた、今年はきっと、良い年になると思いますよ!!
第二百三十七章・結婚指輪の交換
あの時の結婚指輪は、コマドリが持っているんだったのを思い出した。
「コマドリ!」
「ああ」
話を聞いていたコマドリが、指輪を二つ出した。
そうそう、これこれ!
俺はその指輪をコマドリから貰う。
「この指輪は、とある教会の指輪なんだ。これはもう、ただの結婚指輪になってしまったんだから、これをお二人にあげるよ」
俺は二人に一つずつ、渡してあげた。
ガブリエルとジェフェリアは、お互いに目を合わせる。
「じゃあ、ジェフェリア。指を出してくれ」
ガブリエルは指輪をジェフェリアにはめた。
薬指の指輪を見たジェフェリアは、うっとりしていた。
「君の番だよ?」
「え、ええ!」
ジェフェリアは自分の手の中に持っていた指輪をガブリエルにはめる。
「まさか結婚指輪が手に入るなんて‥‥‥」
「そうね」
ルルチェがその場で、二人の間に入って来た。
「この儀式、賢者であるわたしが見届けます。お互いを夫婦として認めます」
なんか、雑な結婚だな。
まぁ、こんなもんか。
俺はちょっと呆れたが、これはこれでいい。
結婚とはこういうシンプルなものでも構わないだろう。
ウェディングドレスも教会も誓いのキスも無くていい。
本当に大事なのは、気持ちなんだろう。
俺だって、ルルチェと偽の結婚式は挙げたが、あれはフェイクだから、ノーカンな。
「おめでとう、ジェフェリア、ガブリエル」
「おめでとうだな」
「おめでとうございます!」
俺と、コマドリとイーゼルが、それぞれ祝福した。
「ありがとう、冒険者の方々!」
ガブリエルは俺たちに言った。
ジェフェリアも俺たちに頭を下げる。
「こんなところで結婚が成立するのは、これはこれで趣きあるよな?」
俺は気分が良くなった。
「リューイチは結婚はこういう質素なもので良いのですか?」
イーゼルが訊いてくる。
「まぁ、そうだな。実際するとなったら、どっかの小さなチャペルで、こじんまりと式を挙げるだけでも俺は良いと思うな」
「そうですか。そうですよね!」
「ああ。祝福してくれる人がいる限りな」
「それもそうですよね」
俺は笑顔でそう言った。
「ま、俺には縁のない話かもしれないけどな」
「えっ?」
と、声を出すイーゼル。
イーゼルは俺の方を見ると、足を踏んづけて来た。
「痛ェ!」
俺は片足でケンケンをした。
「イーゼル、何すんだよっ!」
「もう、知りません!」
なぜか怒るイーゼルだった。
俺、何かマズいこと言ったか?と、鈍感な俺は思った。
まぁ、たまに俺は、犯罪レベルの鈍感さを発揮するようだからな‥‥‥。
一体何を怒ったのやら?
ま、知らん!
心の中で開き直る俺だった。
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