表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/479

第二百三十四章・俺とイーゼルの複雑な気持ち。

今年も今日で終わりですね。大晦日。皆さんはどう過ごされますか?平成最後の大晦日です。

第二百三十四章・俺とイーゼルの複雑な気持ち。



 イーゼルはむくれていた。俺がルルチェとキスをしてるところを見たのだ。これは本当にマズい。イーゼルの気持ちを俺は知っていながら‥‥‥。

イーゼルは本当にご機嫌斜めのようだ。

それを俺は察する。

「イーゼル、怒ってるのか?」

「いいえ。別に」

 そう言えるような顔をしていない。

「ホントに俺もルルチェも運が無い。あんなところでいきなり、偽の結婚式を挙げなけりゃならなくなったんだからな」

「本当にそう思っているのですか?」

「そうだよ。俺はルルチェと結婚なんか‥‥‥」

 なんか、言い訳がましくなってきたな。

「相手がお前だったら良かったのに」

「そう思ってるんですか?」

「そりゃあ、あんな結婚式、確かにニセ婚だけど」

「でも、結婚の儀式的には、正式なものだったのでしょう?」

「そうだけど、でも俺もルルチェもお互い本気じゃなかったんだし」

「リューイチはそうなんですね。でも、ルルチェは本気かどうか分かりませんよ?王族の立場上、そう言ったかもしれませんし」

「それは無いよ。だってあいつは誰とも結婚する気は無いんだし」

「どうしてそんなことが分かるのですか?」

「彼女はニュータイプな女だから」

「どういうことです?」

「ルルチェはいずれ、ダ・ガールの女王、いや、キングになるつもりなんだ」

「キングは男性でしょう?」

「いや、クイーンになるんじゃない。本気でキングを目指してるのさ。これは本当だ!」

 

 俺はルルチェを冒険者として迎え入れたのは、姫としての下命ではなく、もちろんギロチン刑にされたくないからだけでなく、純粋にいつか王としての地位を築き上げるために、今は一緒に旅をしているのだ。それにダ・ガールのお妃様との約束でもあるからだ。ルルチェは王国のために、大賢者になるつもりでもいるのだ。だからこそ、俺はルルチェにこの旅を続けてもらい、賢者の道を極めさせてやりたいと思ってるのだ。それが彼女の未来だからだ。

 

「イーゼル、考えてみろ。ルルチェが俺の嫁になるのが想像できるか?」

「いえ、それは‥‥‥」

「考えられないだろ?俺とルルチェの夫婦模様なんて」

「はい」

「だから、そういうことだよ」

「分かりました。リューイチを信じます」

 

 うん、それでいい。


「まったく、散々な呪いだったぜ」

 俺は疲れていた。気持ちがだが。

「結婚式なんて、もうこりごりだ」

「え?」

 イーゼルはその言葉に反応した。

「リューイチ、結婚はもうしないんですか?」

「いや、結婚はしたいけど、結婚式は、あんな目に遭った後は、けっこうキツいってだけだよ」

「そ、そうですか‥‥‥」

「いや、したいと思ってる人がいる限り、するとは思うけど、ああいう呪いによっての結婚式は、もうたくさんだって意味だよ」

「そ、そうですか。そうですよね!」

 イーゼルはやっと、ホッとした顔をした。

 俺はやっとこさ、安心してイーゼルに接することができたようだ。

「まぁ、俺たちは、仲良くやろうぜ!な、イーゼル」

「ええ。そうですね。分かりました」


 俺はふと、考えた。あの時もし、教会に一緒に入ったのがイーゼルだったら‥‥‥、俺とイーゼルはもうすでに結婚していたのかもしれない。


 そう考えると、俺は何だか気持ちが震えた。

 いや、いい意味でだ。


 ん、待てよ。そういえば一つ忘れていたことがあったな。俺とルルチェが指にはめた指輪だが、これ外れないぞ?


 どうすんだコレ?



正月は三日ほど休みます。更新するかは未定です。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ