第二百三十一章・ここは呪いの教会?
こういう話は何かのゲームで似たのがあったみたいですね。知りませんでした。それでもせっかく書いたので、これを更新します。
第二百三十一章・ここは呪いの教会?
翌日、俺たちは国境を越えて、ダ・ガールの王都へと向かった。
その途中で、朽ち果てた、大きな教会があるのを見つけた。
「何だあれ?」
俺はそのボロっちい教会を指さす。
「ただの教会じゃないの?」
ルルチェが言った。
「ちょっと寄ってみるか」
俺は廃墟マニアではなかったが、それでもそそられる何かはある。
教会に入る俺。
誰もついて来ない。
アレ?
「どうしたんだ、みんな?」
皆は教会のそばで足を止める。
「いや、何かの‥‥‥、何だっけ、フラグが立つっていうのか?そんな感じがする」
と、コマドリが言った。
「そうですね。この教会は何か奇妙です。関わらない方が良いようですね」
イーゼルも警戒して、それ以上近づかなかった。
「なんだよ。中ぐらい見ろよ」
「中に何があるというのだ?」
コマドリは腕を組んで言う。
ふ~む。皆この朽ち果てた廃墟の教会に何かを感じているようだな。
「わたし、中を見てみたい」
ルルチェが俺と一緒に教会の中に入った。
「お、話が分かるじゃないか」
「リューイチのためじゃないわよ。わたしは賢者だから、この怪しい教会を見て回る義務があるわ」
「義務って何だ?」
「ヒーリング担当のわたしだからね」
「廃墟にヒーリング必要かよ?」
「おそらくね」
ルルチェと教会に入ると、中はかなりキレイにしてあった。
「外観とは違って、この中は修理もされているみたいだし、衛生的にも気を遣われているようだわ」
「そのようだな」
途端にドアが勝手に閉まり、俺とルルチェは閉じ込められた。
「あ、あれ?」
俺は閉まった扉を見た。
「あ~あ、やっぱりここは何か呪術的な施しがあったようね‥‥‥」
ルルチェが呆れている。
「お前なら簡単に出られるだろ?賢者なんだから」
「賢者だからどうだっていうの?」
「いや、こんな呪いは簡単に解呪出来るだろ?」
「呪いの種類が分からない」
「じゃあ、どうするんだ?」
ルルチェは祭壇の方へと足を進めた。
そこに何か書き記してある紙があった。
「え~と、何々、『この教会はジャラマール教会。代々、市民州民の結婚式を取り扱っている場所。しかし、過疎化が進み、嫁に来るものがいなくなったので、この教会に呪術をかけて、結婚式を取り扱えば、外に出られる。そういう呪いをかけて今に至る』と、書いてあるわ」
ルルチェ、丁寧な読み上げをありがとう。
それで全部分かったよ。
俺は嫌な予感がしていたんだ。今頃になってであるが‥‥‥。
「要するに、ここで結婚式を挙げれば、解放されるということか」
「みたいね」
「じゃあ、ちょちょっと解呪の呪文か何かで、脱出しようぜ」
俺は興味無しという態度で言った。
「解呪は出来ない。この教会の呪いは古くから伝わる古代の呪いをかけてる。つまり教会が望む通りにしないと、ここからは出られないってことよ」
何でだ?
「じゃあ、まさかここで、お前と結婚式しなきゃ出られないってことか?アホくさ!」
ん?でも、それってマジな話?
これってゲームか何かのイベントかよ。
そういや、ゲームであったかもな。
知らんけど‥‥‥。
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