第二百三十章・訊き出せ!ツインテールからの情報を!!
今日も読んで頂き、誠にありがとうございます!!今年も残すところあと三日ですね。気持ちよく大晦日を送れるよう祈っております。
第二百三十章・訊き出せ!ツインテールからの情報を!!
俺たちで、差し向けられた不良集団を片付けてしまった。全員を戦闘不能にした。
それにしても、ウザい俺にやられた奴は気の毒だな。
ま、いいか。
「さて、ツインテール。お前はどうすることも出来なかったな」
「うるさい!」
ゆっくりと起き上がるツインテール。
「そういや、もし何か情報を持っていたら、教えてくれよ」
俺は尋ねた。これ以上は見逃してやるための交換条件だ。
「情報?」
「ああ。お前が知っている何かでいいよ。そうすれば見逃してやる。これは等価交換だよ」
「それって、何かを知ってどうする?何のために?」
「もちろん、冒険のためだよ」
「分からん。今の時代、なぜ冒険者なんてやってるんだ?魔王はもう50年前に勇者たちによって倒されて、冒険やめた連中であふれた時代なのに‥‥‥」
「そりゃ、俺は冒険者として、この世界に来たのだからな。ま、確かに俺も冒険やめようと思ったことはあるといえば、あるけどな」
「ん?この世界に来ただと?」
「ああ」
俺は隠すことなく言った。これが俺なのだ。この異世界に来た者として。
「そ、そうか。お前は伝説で語られる、転生者なのか?」
「意外だな。転生者ってのを知ってるとはな」
「ああ。たまにいるらしいな。転生者とかいう、この世界にやって来る奴が」
それを聞いて、俺はうなずいた。
「そうだ。俺は日本という国からやって来た。今は冒険を探している。冒険者として転生したのだからな」
「そ…そうか。なら、クレアスフィアと呼ばれるビー玉くらいのサイズのオーブを八つ集めて、オードラの塔の最上階に持っていけば、その塔の屋上に行けるらしいよ。そこには転生者が、かつての魔王を倒した勇者の仲間だった魔法使いのお世話をしているって話だよ。クレアスフィアを集めて会いに行けばいい」
「そんな奴がいるのか。でも、何でそこに行くのに、八つもオーブを集めなければならないんだ?」
「その魔法使いは高名な人で、他人と会う事はほとんど無いそうだ。元魔王討伐の功労者だから、一度会ってみる価値はあると思うんだがな」
「なるほど。それは会ってみたいものだな。で、その塔はどこにある?」
「ア・レーア王朝の北のヴァ・ローオ国にあるそうだよ」
「ふ~ん。そっか」
「こんな情報で良ければ、いくらでも‥‥‥」
「いや、もうけっこうだよ。じゃあ、アディオス!」
「アディオス?」
「さよならって意味さ」
そう言うと、俺たちは、ツインテールと倒れている500の男たちを背に、国境へと向かって歩き出した。
やっとこさ、フイ・ティーク王朝を出られる。これで一度、ダ・ガールへと戻ることが出来るのだ。ずいぶんと遠回りしたものだ。
俺たちは国境に差し掛かる前に、夕暮れを迎えたので、キャンプを張ることにした。
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